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旅仕舞い

 南方での2年間が終わり、どっと体から力が抜けている。段ボールだらけの床で転がって今スマホのnoteに書き込んでいる。タブレットは段ボール行きだから使えない。

 帰る場所がここより寒くて冬が残っていることが、少し不安だ。

 仕事は一応、一区切りついた。本当はまだまだやること、やるべきこともあったんだろうけど、仕方ない。最後には魔物がいる、という。強烈な転移を受けて悩んだりした。沢山泣いた。あれでよかったのか分からない。心だけ置き去りになっていたように思うけど、でも仕事は、私たぶんすごく好きだった。

 それから、出ていく一週間前の週末には友人2人を泊めて丸2日運転したし、その前には最後の実家家族旅行もした。友人2人とは中々ヘビーだったし自分の運転の酷さに恐怖を覚えたけど、無事敢行できて良かった。実家のみんなには鼻毛切りカッターを買ってあげた。

 夫は長くこちらに来てくれていて、一緒の時に髪を切りもした。とっても短くした。もう結べない。2人で離島に行ったり、ぐるぐると駆け巡って旅をした。よく晴れて良い旅だった。

 沢山のことを経験した。
 毎日が極彩色だった。
 もう少し、帰って生活を整えるまで頑張らなきゃいけないけど、先んじて春眠についてしまいたいようにも思う。

 この2年間が夢ではありませんように。
 大変だったことも含めて、幻かと疑ってしまうような、本当に美しい日々だった。