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13冊目


“時間が解決してくれる。そんな言葉は聞くけれど、時間は早送りできないし、一秒は長い。今辛いのに、時間は同じ速さでしか流れてくれない。そうじゃない。今、助けてくれ。今、救ってくれ。今、辛いんだよ。今、悲しいんだ。 と、頭を抱えているわたしが、 「100冊の本に救いを求める。」 noteを開設しました。 ”

という、こころの叫びからはじまったこのnote 
本日は13冊目をご紹介します。


13冊目。
『おやすみ短歌』
(枡野 浩一・ pha・佐藤 文香/実生社)


2冊目で書いたとおり、わたしは短歌がすごく好きで、「空前の短歌ブームがきている」と言われる今を、ありがたい…と思いながら日々過ごしています。
おもしろそうな歌集はどんどん出版されるし、Xなどで流れてくる名もなき誰かの短歌に心を打たれることもある。ブームを嫌がるひとの気持ちもわかるけど、やっぱり母数が増えるとそれだけ ”出会える” 可能性も上がるわけで…。読みたいものがあり過ぎて困るけど、いいよね。嬉しい悲鳴ってやつです。
 

そんな中で、『おやすみ短歌』は、表紙のゆるかわいさに目を惹かれ、聞き覚えのない出版社だ……と思いながら手に取った一冊でした。
 

実生社、みしょうしゃ と読むらしい。
なんだかかわいいし、書影ができてよろこんでるのもかわいい。



農と食、まちづくり、地域、民俗といったジャンルの書籍、大学生向けテキストをこれまで刊行してきたそうで、「知をわかりやすく、おもしろく。 読者と書き手をつなげ、未来の社会にメッセージを伝えます。」と自己紹介されていた。学術寄りの出版社さんが短歌とは!わくわく!

人気歌人・作家・俳人の3人が、「おやすみ」に合う短歌を百首集めて紹介する歌集。なんてやさしい現代版百人一首だ…。
 「三人がえらんで書いた安眠へさそってくれる百人一首」という副題も短歌じゃん!とにやにやしたし、すごくよかった。
 短い文章付きなので、短歌の読み方がわからなくても楽しめる。
おやすみに合う短歌って、ちょっとかなしくて、でもやさしくてあったかいんだね。

100冊の本に救いを求める13冊目


わたしがいちばんすきだったのはこれです。 

泣くほどにわたしの純度がましてゆく わたしのベッドは わたしの匂い

かなしみに沁みますねえ…。


ホームページを検索したら、「100年後に届けたい本づくりをめざします。」と書いてあったのもよかったな。100年後まで届いてほしい。100年先も、きっとおやすみは大切な言葉だと思うし。

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