フォーティエイト つぶし駒掛け その2

※ これはフィクションです。 実在の人物、事件、団体などとは関係ありません。



一刻ほど前に、制服から着替える暇もなく後ろから抱きすくめられたリョウ。
体臭で智史《ともふみ》だとわかっていたから大声も出さず、抵抗もそれほどしなかったが、それをいいことにショーツを取り去られた。
「やっ……やめろ!」
やめる様子はない。
少し前までは初心《うぶ》な青年だと思っていたのに、男はこうも変わってしまうものか。
「あ……」
いや、変わってしまったのはリョウ自身もだった。
智史を受け入れる前には、好きな男相手でもこのようなことは許さなかったはずだ。 それなのに、今はもみ合ううちにじゅん……と潤っている。 気持ちを先回りして身体が許しているのだ。
(や、やだ……そんな……)
濡れてきたのを知られまいと力がこもる。
しかし、それがかえって仇《あだ》となった。
こわばった身体を後ろから押されてバランスを崩したリョウは、床に這いつくばってしまった。
「あっ!?」
すかさず智史が耳元で
「今日のリョウさんは……すごく色っぽくて……ぼくもう……我慢が……」
そう囁き、背に被さってくる。

続く

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