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上村一夫『関東平野』は関東平野のどのへんなのか

 『同棲時代』『悪魔のようなあいつ』等の著作や作詞家・阿久悠との親交で有名な漫画家、イラストレーター、エッセイスト、昭和の絵師こと上村一夫先生の『関東平野』という作品があります。
 太平洋戦争末期、品川で空襲に遭い両親を亡くした金太少年が関東平野の農村に住む祖父の元で終戦を迎え、いろいろあって東京でイラストレーターとしてやっていくという自伝的な内容で、関東の生まれではなく地方出身だけど農村育ちでもない私の心のなかにも美しい田園風景が広がるような、ノスタルジーを感じさせる作品です。もちろんいつもの上村先生の情欲あふれるじっとりエロもあり、相棒の銀子や師匠の柳川大雲などのキャラクターもたくましく魅力があって読み返すたびに好きになるんですね。

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で、物語の前半の舞台となる関東平野のとある町はアマゾンの紹介文によると、「千葉県匝瑳(そうさ)郡の田園地帯」となっていて作中では
・Y町、のちに合併でY市になった
・椿村という地名がある

上村一夫『関東平野』電子書籍版4巻233ページ

と書かれていたので、少し検索すると現在の千葉県匝瑳市八日市場だろうということになりました。潮来とか銚子などの地名はそのまま出てくるので、べつにイニシャルにしてぼかすつもりはなくて4文字だと長いからY町にしたのかもしれません。wikipediaによると

・1889年に椿村と春海村が合併→匝瑳郡椿海(ちんかい)村
・1954年に周辺の町村と合併→八日市場町、その後まもなく八日市場市(Y市)に
・2006年に八日市場市、匝瑳郡野栄町が合併→現在の匝瑳市に

という流れのようです。現在でも「椿」という地名は残っていて、

作品を読んだあとだと髪の長い女性が横たわっているように見えなくもない、これは何かあるぞ…というわけで行ってみました。2023年10月のことです。

発車案内板の文字が小さい
先に書いておきますが特になんにもなかったです
観光案内所で自転車を借りた
田!(で~ん!)
あぜ道の先に小さな神社がありそうで何もなかった
こういう生け垣、田舎って感じがする
調べたらイヌマキって植物っぽかった。潮風に強いらしい。海がまあまあ近いからだろうか
ねこ
以上です!これは帰りに寄った船橋の居酒屋


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