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美しいパステル画を描くために…透明絵具と不透明絵具 / 黒い紙と白い紙

透明絵具と不透明絵具


絵具には透明絵具と不透明絵具があります。これは光の反射、屈折、透過という3つの性質による違いです。透明水彩絵具のように光が透過あるいは屈折する絵具を透明絵具、光が透過せず反射する絵具を不透明絵具と呼びます。


©︎Ebi

青いパステルに注目すると、白い紙より黒い紙に描いた方がより明るく輝いて見えます。他の色も同様ですが、黄色だけは白い紙の方が黒い紙より綺麗に見えます。どんな色の紙に描くかということは、その作品の見え方に最後まで影響します。

黒い紙の意味

光を最も吸収する黒い色の上に、不透明絵具の色を置いた場合、あらゆる色相は、その本来の色を十分に主張します。ですから、パステル画は理論的には黒い紙を理想とします。
ただし、パステルは被覆力が弱く、完全に不透明というわけでもありません。黒い紙の使用は、絵を暗くするおそれがありますので注意が必要です。
青、紫、暗い絵、暗いテーマの絵などは黒い紙が合うようです。

白い紙の意味

光を最も反射する白い紙は、不透明絵具であるパステル画には不向きです。
ただし、白い紙でも、比較的明るい絵には向く場合があります。以下は白い紙に描く場合の注意点です。

A.黒い紙の場合とは反対に黄色系が美しく見えます。
B.明るい色は、厚塗りにしてもその色の主張をします。
C.中間色から暗い色は、うす塗りで透明描法にすると、その色の美しさを表現できます。厚塗りでもよくすり込み、面積を広くすると暗さを避けることができます。

 

シルビアのいる街で  渡辺藤一

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