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MBAホルダーが薦める絵本2000選(155冊目)

【題名】パワーショベル!

【作者】鎌田 歩 作

【評価】★★★★☆(79点)

【感想・寸評】

1,家の解体

 これは、パワーショベルが家を解体していく絵本です。一体ぜんたい、家の解体にはいくらかかるのでしょうか?!

木造住宅であれば、1.5万円/㎡(解体費用1万円+廃材処理・整地費用5千円)が一般的な目安金額です。30坪の家なら総額で150万円前後です。


 更地にしないと売れない土地とかありますからね。今後も、解体の件数は増えるのでは無いかと思って、解体件数を調べてみました。

 総務省が住宅滅失戸数というものを調べているみたいです。しかし、この精度が低い。全国解体工事業団体連合会という業界団体もあるのですが、実際の解体数とは合わないと言っています。

最大の原因は、住宅滅失統計調査の精度の問題だろう。法律で建築物除却届の提出は義務付けられているが、届け出数が実際の除却戸数よりも少ない可能性がある。不動産の滅失登記を行わないと、同じ敷地に新築した建物を登記できない可能性があるが、除却届を出さない場合に「土地を売れない」「新築工事ができない」などの不都合が生じるわけではないからだ。

 不都合が無いことの数字は、正確に把握するのは難しいですよね。結構、この静脈の数字が把握が難しいという話は、他の業界でもききます。廃棄、除去などの仕事は確実にあるのですが、実態把握が難しいし、コストをかけて実態把握をしたところで・・・・みたいな話ですね。

2,解体の順番がわかります。

 まずは、グラップルという巨大なはさみで、屋根、壁、骨組みを壊します。これは職人技が必要で、おそらく、家の構造をみながら、効率よく壊す方法があるのでしょう。先ほどの全国解体工事業団体連合会のサイトには「解体工事施工技士」なる業界の資格が載ってました。

 たまに見かける解体現場では、水をかけながら解体してますね。水を出すパワーショベルを開発したら、人手が1人減りそうなものなのですが・・・・そうでもないのかな?!水をまきながらだと、粉じんなどが飛ばないんだと思います。

 廃材をトラックに積みます。おそらく、産業廃棄物として埋め立てられるんでしょうね。

 全国木材連合会さんのHPにその謎について書かれていました。

住宅を解体した際に発生する木くずは、廃棄物処理法という法律によって産業廃棄物として扱われています。(中略)木造住宅の解体の際に発生する解体材のうち、木くずは住宅1m2当たり0.38m3になり、容積では解体材全体の5割となります。(中略)しかしながら、再利用される割合は2割程度と低く、再利用されるものも燃料として利用されるものが8割で、パルプ、木質ボードなどの工業原料として再利用されるものは、全体の4%しかありません。
 これらの木くずは、ほとんどが角材や板の形態で発生しますが、発生時の形態のまま使用される銭湯燃料を除けば、ほとんどが木くずチップの状態で再利用されます。昔であれば、住宅の解体は手作業で行われ、廃材も再び建築材料として利用されるものが多かったのですが、建築分野での廃材需要の減少、解体期間の短縮、解体コストの低減等の理由で、機械解体が一般的となり、建築材料への再利用は極めて希な状況となりました。

 私が注目したのは後半の部分。手作業で解体すれば、廃材を再び建築材料に利用できたが、需要・コストの関係で、機械解体が一般的になり、再利用できないと。これは、地球環境、SDGsの関係では考えるべきことですよね。廃材を廃棄する価格を法律で上げるか、廃材を再利用すると補助金をつけるとか、すると経済合理性がかわり、かわるかもしれませんね。・・・新しい木の需要が減るので林業は苦しくなるか。人口が減るので、このあたりが悩ましい。

3,ブレイカーにスケルトンバスケット

 コンクリの土台は、ブレイカーで破砕します。コンクリを破砕できるので、結構な衝撃でぶったたいてますよね。人間がやるよりも、これはパワーショベルでやるのが、効率的。油圧ってすごいな~と思いました。

作業装置(ブーム、アーム、バケット)の作動は、油圧シリンダーによるものです。油圧エネルギーを機械的なシリンダーロッドを往復させるエネルギーに変え、強力な力にして仕事をします。油圧シリンダーはパスカルの原理を利用することで、さまざまな現場で活躍できる数千kgもの掘削力を生み出しているのです。

パスカルの原理!!!久しぶりに聞きました!

パスカルの原理(パスカルのげんり、英語:Pascal's principle)は、ブレーズ・パスカルによる「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力[注 1]をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える。」[1]という流体静力学における基本原理である。

 それにしても、パワーショベルは子供心をわしづかみしますよね!





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