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#009 年を重ねるという事は共に生きる思い出が増えるというお話

生きていれば増えるものの1つである思い出。

子供の頃に友達と遊んだ楽しい記憶、
多感の頃に感じたあのもやもやした感情、
大切な人との別れという経験、それも今となっては大切な思い出。
喜怒哀楽いろんなことを経験して人は大人になります。

人間の脳とはとても都合よくできており、本当に死ぬほど辛い経験は「忘れる」事で生きていけるようになっていて、思い出せる範囲の辛いことというのは、精査された「思い出」としてその人に刻まれ、この先の人生を共に歩む事になります。

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こないだ母がずっと欲しがっていた吸引力の衰えないハンディ掃除機を実家にプレゼントしました。
ずっと欲しい欲しいと言ってるのになかなか買うに踏み切らないので、半ば強引に実家に送ることになったのですが、私の実家はとにかく物が多い。
記憶にある範囲で、一軒家の1階に1台、2階に1台、そして屋根裏部屋に1台、計3台の掃除機があります。

「いや、さすがにそんなにいらんやろ、、
ハンディ掃除機1台あれば全部まかなえるだろうし、
新しいの買って送るからどれかを処分してね」と母に話したところ

「捨てないといけないならいらない」と言われ
私もそこで「は?」となりました。

私としてはそんな大きな家でもないのに掃除機たくさんいらないし、なんだったらハンディ軽いから1台あれば家中掃除できるやん!
だから古いの捨てたらいいやん!の気持ちだったので
母のその一言に少しイラッとしてしまい、一旦プレゼントは保留に。

そんな時、いつかのテレビで見た話を思い出しました。

子どもたちが巣立っていった「実家」には子供との思い出がたくさん詰まっていて、どれもこれも親にとっては思い出であり、気軽に「捨てたらいいやん」といってもそれは親にとっては大切なものだから「捨てる」という選択肢にはなかなか至らないものなのだと。

「そうか…その親の目線で考えたことなかったな」

冷静になった私は言い方を変えて、

「新しいの送るから今あるものと比べてみて。新しい方が使いやすかったら古いの捨てたらどう?」

と母に話したところ「わかった、そうする。ありがとう」と納得してくれたので、無事プレゼントすることができて今実家で使われています。

帰省するたびに、実家の物の多さにげんなりしていたのですが、見方を変えれば両親にとって「思い出」の詰まったものなのかもしれないと思うと、物であふれた実家も悪くないのかなと思えた出来事でした。

これも今となっては思い出です。

でも冷静に考えて、一軒家に掃除機3台は絶対にいらんよね? 笑
ただ物だ捨てられないだけなのかもしれないけどそこは美化補正しておく。

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