見出し画像

川田利明「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える『してはいけない』逆説ビジネス学」(ワニブックス刊)を読み返す。

タイトルが長いけど、頑固に伝えたいことをタイトルに入れきるところに“らしさ”を感じる。編集者が決めた可能性もあるが。

飲食店、ラーメン屋は絶対やめておけという理由を多方面から語る本ではあるけど、そもそもなぜ開業したかを足利工業大学附属高校時代からのエピソードを交えて独特のボヤキ節で綴っているのがまず面白い。

高校時代、学年唯一の寮住まいで先輩たちの料理を毎日1人で作る羽目になり、(高校時代のエピソードでもいい話だらけの)兄貴気質の三沢光晴も「興味がない」と料理だけは助けてくれなかったとか、全日本プロレスでの新弟子時代の冬木弘道とのエピソードとか、おそらく初出しのいい話もあり。

客層としてはファンも多く来るみたいだけど、一品だけで長時間粘ったり、調理中にもかかわらずしつこく話しかけてくる人がいるというのには絶句。一部で話題になってた壁に貼ってある色々なハウスルールというのも、当然色々な苦い経験に基づいているようで。

実践的な話題だと、設備費用、仕込みの手間、営業日の一日のスケジュールやら軽い気持ちで考えてる人は秒でやる気を無くしそう。また、飲食店でも特にラーメン屋をやるのはやめておけという理由もなるほど、と思わせてくれる。
ただただ開業したい人の気持ちを削ぐ内容に満ちている、がやりたい奴は何言われてもやるので実践に基づいたアドバイス集と言って差し支えないだろう。

本のプロモーションの下記インタビューも楽しい。

1982年10月4日
千葉県大原町消防署前グラウンド大会
冬木弘道戦
でのデビューから40年。
同年代の三沢も冬木もターザン後藤もこの世にいないが、半引退状態とはいえ川田が頑張っていて、たまにトークライブや解説(先日、新日本プロレス長岡興行でタイチ、KENTA、金丸義信の試合の解説で出てきたのには沸いた。SANADAを褒めてたのが印象的)に出てくるのを見ると力が湧く。

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?