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チコちゃんを見なくなった理由

NHK総合テレビで絶賛放送中の『チコちゃんに叱られる』が、録画はされるものの再生されずにたまっていきます。

一時期「私の知識の半分はチコちゃんによってできています」と言うほどだった私なのに、です。

番組の基本的な構成は変わっておらず、回によって差はあるものの、着目点も切り口も結論も安定して面白いものです。

外部の制作会社だからこそ、チコちゃんのCGや「ボーっと生きてんじゃねーよ」という決め台詞、森田美由紀アナウンサーのナレーターへの起用など、NHKらしからぬ演出が光っていました。ゲリラ戦だったんですよね、最初は。

でも、見なくなっちゃったんです。

私一人が見なくなっても、視聴率という数字か極端なクレーマーにしか対応しない放送局にとって痛くも痒くもないことは承知の上で、なぜ自分の中のチコちゃん熱が冷めたのかを考えてみます。

メインの岡村隆史さんは大好きなタレントさんですし、オールナイトニッポンも欠かさず聴いています。チコちゃんの声を担当する木村祐一さんのアドリブと着ぐるみの動き、CGで作られた表情との連動あっての番組です。そこにはまったく問題ありません。

思い出した! 嫌になり始めたのは、収録スタジオにNHKの会長が来て、椅子に座り笑顔で見学していたのを出演者がイジる回を見た日からでした。

確かラジオでもそのことは話したと思いますが、超人気が出始めた番組をトップが気にするということ自体はいいとして、挨拶をした後はサブ(副調整室)で見ていればよいものを、わざわざスタジオに椅子を用意して(普通スタッフは立っています)、さらにそのことを出演者がおべんちゃら言いながらいじり、編集でもカットせずにそのままオンエアーされたのです。

社会の縮図を見せられているようで、嫌な感じがしました。

その後、チコちゃんと岡村さんが紅白歌合戦にも呼ばれ、岡村さんは来年の大河ドラマにも出演されるそうです。トップの覚えがめでたいからこそでしょう。

最近では(見てんのかい!)働き方改革という名のコーナーがあり、CGチームに長期休暇を与えるため、顔の映らないチコちゃんと岡村さんだけの会話にVTRを差し込んで時間をつないでいます。

パロディのつもりだとは思うのですが、超人気番組になっても、時間と人財にお金をかけられないのかと絶望を覚えます。番組の根幹に関わることに対して、必要ならスタッフ増やしたらいいやんか。いや、ダメなんでしょうね。

両方とも事情は分かるけど、切ないなぁ。

そうなってくると、スタッフが登場する楽屋落ちも、NHチコスペシャルも、たぶんそうだったんじゃないかなあ劇場も、シティーボーイズ大竹まことさんの出演回数が多いのもなんだか気になってしまいます。

そう、大好きだったからこその嫌ごと、です。

影響力は全然違いますが、自分のことを棚に上げてはおけません。あらためて番組は生き物だなと思いますし、受け手の側に関係ないところで変質するとしたら、それは離れていかれますよね。毎朝、原点に立ち返ります。

※カバー写真は「なぜ飛行機は白いのか?」の回を見たので選びました。正解は「その方が航空会社が得だから」でした。結局、どこかで溜まった回を見ています。

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