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ベッドに沈み込む

 疲れ果ててふかふかのベッドに沈み込んだ。私は明日の就活の不安を打ち消すためにNetflixで「結婚できない男」を「アットホームダッド」を観た。明日が来るのが怖いのだ。いつも眠りは一瞬、そして朝が来る。孤独な朝。ひとり立ちを強制される朝。
 部屋は荒れ果てている。セルフネグレクトかもしれない。私は掃除が好きな子供だったのに、いつのまにか掃除嫌いの大人になっていた。

 時々、どうにもならない夜は近所の公園のブランコをこいだり、ベンチに座ったりする。なのに、時間は私を許してくれない。学生のままでいるのを許してくれない。クリエイターになりたいとか言ってたのはいつまでだっけ?そんなことを思う。

 いつか、悲しくて1人で海へ行った。冷たい雨の中、30分も自転車を漕いで。その時風は私に向かい、去っていった。海はごうごうとしていた。なぜ私は生きているのですか?なぜ大人にならなくてはいけないのですか?なぜ私は孤独なのですか?人は死んだらどうなるのですか?なぜ私はここにいるのですか?海に心の中で問いかけた。返事はない。

 あなたの中に私を見た。ひどく寂しそうだったから。

 眠りに落ちる直前、私はいつもどこかにあなたを探している、そのために生きているのだと思いながら。

 親愛なるあなた、どうかお幸せに。

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