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エクアドル旅行記 10日目/12日間 クエンカ→グアヤキル

昨晩の喧騒は夢のごとく、エクアドル旅行10日目、1月1日の朝は静かな朝だった。ホテルでもりもりと朝ご飯を食べた。隣のテーブルにいた2歳くらいの女の子が、ずっと私を見てニコニコしていて可愛かった。女の子の家族は先に席を立ったのだが、その子はお母さんに抱っこされた状態で、私が見えなくなるまで後ろを見ながら手を振っていた。

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荷造りをしてチェックアウト。代金は支払い済みなのか?と受付のお兄さんと少しやり取りがあった。なまりになまっていて何て言うてるか分からんので困ったものの、ツアー代金でもう支払ってるから!で納得してもらった。

しばらくホテルの中庭のベンチに座って迎えを待っていたら、昨日ホテルまで送ってくれたおじさんガイドがやってきた。今日はクエンカから友人Sちゃんがいるグアヤキルまでの約200kmを陸路で移動する日。内陸のクエンカから3000~4000m級のアンデス山脈の山々を乗り越えて、太平洋側のグアヤキルまでおじさんガイドが長距離運転。

車内で、おじさんに昨日教えてもらったバスツアーに行ったことやトメバンバ川のイルミネーションを見に行ったこと、人形が燃えていた!!ということなど、昨日の出来事を話した。おじさんも昨夜は家の前で人形を燃やしたらしい。日本で言うしめ縄みたいなもんなんやな。しめ縄も車にくくりつけるもんな。グアヤキルに向かう道中には人形を燃やした黒い跡が点々とあった。

アンデス山脈のエル・カハス国立公園に入ってからは何度か下車し、おじさんが地形や植物の説明をしてくれた。森林限界を超えた高度になると岩と低い草ばかりに景色が一変しとても美しかった。そして寒かった。ユニクロのライトダウンを鞄に入れていて本当に良かった。
4000mの高度はさすがに頭痛がしたし、少し岩場を歩いただけで呼吸回数が増えた。富士山の頂上より高い場所にいるのだから当たり前だ。富士山に登ったことはないのだが、富士山の標高以上の場所に行ってしまった。富士山が何峰も連なっているということなのだ。南米大陸のスケールの大きさに飲み込まれそうだった。

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途中レストランで昼食を食べた。ツナのソテーだったと思う。私はあまり旅行中の食料に執着はないが、エクアドルはご飯が美味しかった。
移動中、昼食時間も含め約5時間おじさんと二人っきりだった。日本語だと場をもたせるためにいくらでも話ができるのに、英語だと難しくて歯がゆかった。でもおじさんはガイドになる前は英語教師だったらしく、私の文法めちゃくちゃの片言英語も理解してくれたし、簡単な単語を選んで話してくれて有難かった。Sちゃんとおじさんは初めて仕事をしたらしいのだが、おじさんがSちゃんのスペイン語は素晴らしいと褒めていて、誇らしかった。

山を下っていくと雲海に遭遇。美しかった。おじさんはこの雲の下は雨だね、グアヤキルは雨が降っているよ、と教えてくれた。おじさんの言う通り、グアヤキル側に下っていくと小雨が降っていた。高度差でペットボトルがぺちゃんこになった。

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先ほどまでダウンを着ていたのが嘘のように、グアヤキル側の低地に降りてくると、バナナやカカオ、さとうきび畑が広がる見るからに温暖な地域になった。
ガラパゴス、キト、クエンカと経由してきたので、きっとこの地域は貧しかろうというのが感じられた。でも、元旦でも道端の屋台は開いている店が多いようで、楽しげに果物を買う人々は明るかった。Sちゃんは以前、美味しそうな果物を売る屋台でパイナップルを買って食べ、ひどい胃腸炎になったそう。日本人は耐性がないので気を付けて。

Sちゃんの家の前まで送ってもらう予定だったのだが、Sちゃんの家周辺でおじさんが道に迷い、車を止め、私がSちゃんに電話をして迎えに来てもらった。約1週間ぶりの再会。旅の様子はLINEで伝えていたが、知った顔との再会でほっとした。Sちゃんが準備してくれていた日本食を食べて、部屋でだらだらしながら沢山話をしたのち、眠った。

(昼食のため立ち寄ったレストランにモンベルのつばあり帽子を忘れてきたことに、Sちゃんの家に着いてから気づいた。海外旅行での記念すべき初めての忘れ物だ。何年も夏フェスで被っていた帽子だったので別れるタイミングだったのかもしれない。レストランで誰かに拾われて第二の人生を歩んでくれていたら嬉しい。)

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