「ライティングの哲学」感想

哲学者やディレクターたちが座談会をしてアウトプットの苦しみを共有する本書。
アウトライナー(PCソフトとか)を利用して本を書きあげる人々の悩み…というところから始まりますが、そこにたどり着くまでの考えのメモをどうやって取るかなど、立派な本を出さない我々にとっても共感できる部分がいくつかありました。

メモのメディアを変える

その中でも実践できそうと感じたのは、瀬下翔太さんのコラムにあった「メモ」を「書く」ことから離れて、ツイキャスなど音声やチャットなどで発出してしまうこと。友達と会話をしながらというよりも、ぽつんと一人で語り続けて、口で発したことを再確認する作業に手ごたえがあるそうだ。
手で書く(ペン・キーボード)よりも、その場のノリで口走ったものをメモとして抽出でき、また宛先を意識した「語り」になることで意見にもまとまりができるそうだ。

noteのネタをしたためるためにルーズリーフにいろいろ書いているが、いざnoteに書き出すぞ!となるとなんだか理路整然としないことがある。
けっきょく走り出して投稿しておしまい!というのが大半だけれども、「良いものを書こう」とすると途端に動きが鈍る。

どんどんいろんな媒体で発出していく、という考え方が素敵に思えた。というのも口語で発すれば記憶にも違った形で残ったり印象も変わるし、気分転換にもなる。誰かに聞いてもらう・見てもらうためのツイキャスは勇気がいるが、「いやいや全然メモのためのキャスですよ?」とふてぶてしく構えるとまた違った景色が見えるかもしれない。
そのキャスの完成度も大して期待することなく、メモを積み上げていく。
それが発展して動画配信になるかもしれないし、ペンを走らせて考えていたときよりも世界が広がるような可能性を感じたのだ。

どの媒体にしてもアーカイブとして残り続ける時代なので、恥をかきすてトライしてみようかな、と思うのでした。

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