死滅するものへ

死滅するものへ

睡魔の金属、覚醒の金属、早朝に飛来する燕の金属、
黒と白のコントラストが空の沈殿、廃棄した廃油、焼却した表面、
錆びた切っ先、明らかに、微笑む動物臭、切り捨てられた沈丁花の枝
突然のLINEに、医療従事者の悲しみに、季節を越える光ファイバーに
すべての大きな懐古が欲望の糸口を伝う
研がれた銛の早朝のひかりが
都市の叫びを隠蔽してしまうような
循環障害のクロノス
躁急な、蒼穹な、双球菌をこぼした
過ぎ去った床の、忘れてしまった水槽の
屋外の動物舎の、針の日々を、自死のひとが
輝いていたぼくの、裸子と被子の、従順なシンクの
起き上がった剣のむなしさが繁殖を約束するのなら
水晶よりも美しい、イオノフォアで活性化された精子の、
遊泳の無意識の、
稚ければ道行くき知らじ、水は溢れてそのなかを
浮かぶ雲行きのみじかさが、穴たへの
現動化と潜在化の反復としてもたらされる

#詩

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