花火

花 火
白井健康

ひとのはなびらや湿りをときどきまちがえる
触れることの弱さを露呈するとき
にんげんとしょくぶつのちがいなどわずかだ

場所ではなく鼓動のさきのうごきは
ときにあなたをかなしませる
不規則な乱れはやさしさのはじまり
むこう側へ突き抜けるかのような
こちら側への引き潮のあまりを
受け渡すとき
粥のような目眩を
その一瞬の移ろいを
からだから失い
繋いでいくためなどと
つづけることもできる
せまい全体を通して縦は横になり
しばらくはページを閉じることができない
「うまれるっていうこと」
の、言葉を発した途端
の、残光のつづり

花台に置かれたしょくぶつの
色のちがいを含みつつ
つぎのあかしをふたり待つのだ

#花火
#詩

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白井健康

未来短歌会彗星集/2011年歌壇賞次席 /「オワーズから始まった。」(書肆侃侃房、ユニヴェール) /橄欖追放にも掲載されています。 http://petalismos.net/tanka/kanran/kanran210.html

詩歌

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