孔を抜ける

区分された孔を/切り裂くと

目の前は故郷の駅
切られてしまった樹が
まだそこに植えられて、ある
あなたときっと出会う
結婚したんじゃないの/まだひとり
お腹大きくて臨月なの
誰の子って、か
そう言って瞬きする

日焼けした彼がナイフを持って
コンビニから出てきた
久しぶりだなぁ、手が震えてるよ
いまやってきたばっかり
と、変わらない笑顔で
やばいよ、やばいよって、瞬きする

魂がひとつづつ遠くなる
引き潮のなか
あなたがわたしで
わたしがあなたで
砂に嘆いている

慎み深く包み隠さず
生きてきたわけではない
世間の反対へ
はみ出そうと
はみ出せずに
ブルーシートは青く広く
空にも海にもなれず
広がれば薄まること
がある
#詩

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白井健康

詩歌

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