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境界

溶けてゆくことができなくなってしまった。

前のわたしなら入りこめたはずの隙間が

ただの黒い影に見えて

無関係なただの黒い影に見えて

溶けてゆくことができなくなってしまった。

溶けてゆくことでわたしの皮膚はどこまでなのか

臓器は痛むのか

匂いはどこまで他人なのか

わかることができたけれど

溶けてゆくことができなくなったから

ちょっとだけ自分が分かんない。

溶けてゆくことができなくなって

やっとわたしが単体で存在するような

そんな気持ちもあるけれど

ああ、なんて今まで人に頼ってたのって悲しくなった。

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