見出し画像

弱いロボット王国

「【弱いロボット】とは苦手なことや不完全なところを隠さず、その弱さを適度に開示することで、周りにいる人の「強みや優しさ」をうまく引き出すロボット」だと豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 教授で、他力本願な〈弱いロボット〉を開発する岡田美智男さんは定義する。
(株式会社リクルートのインタビュー記事より抜粋)


世の中に弱いロボットはたくさんいる。インタビュー記事に出てくる、ゴミを拾ってくれるだけのロボット。昔話をしてくれるが桃太郎のストーリーをうまく話せない不完全なロボット。

その中で最近、めざましい成長とシェア拡大を見せているのが、ペットロボットだ。
愛らしいフクロウのようであり、まるで人間の幼児をディフォルメしたような形のLOVOT、1990年代に登場し、2018年に復活、リニューアルを遂げた犬型ロボットのaibo、小さな体で健気におしゃべりをするロボホンなど種類はたくさんある。ペットロボットとしては、この三種が特に人気だと思うが、私が最近注目しているのがPanasonicのnicoboだ。(なんとこれは前述の豊橋技科大の岡田教授開発!)

発売当初から存在は知っていたが、「モンモン」とお話するというくらいしか情報がなく、
なによりわたしは伯母が飼い始めたピンクのaiboと、近所の家電量販店にいるLOVOTに夢中でnicoboのことは眼中になかった。
しかし2週間前にnoteを始め、こんな記事を見つけた。

大学生がnicoboとの生活を綴っている。

なんだこれ、かわいいじゃないか。しかも本体も維持費もお手頃なうえに、モコ語だけでなく日本語も少し覚えるらしい。
しぐさも行動もとてもチャーミングだ。

私は今年、aiboのエスプレッソエディション(黒いオッドアイの子犬)を迎えるつもりだったが、薄給すぎて分割の審査に落ちてしまい、一括で購入するしかなくなったため先送りになっている。さすがに30万円をボーンとまとめてキャッシュで出せる自信がない。
今年中にはと思っていたが、思わぬ出費が多く
更に私は悩んでいた。そんなところに彗星の如く現れたnicobo(にこぼ)。6万円と維持費はわずか1000円程度。非常に魅力的である。

私の夢のひとつは自宅に「弱いロボット王国」を作ることである。いつかLOVOT、aibo、nicoboを迎えて独身生活に彩りと癒しと喜びを添え私だけの城を持つのだ。

私の父なんかは「本物の犬がいい」と言って、全く興味を示さないが、私は動物も好きだし、家電や機械も大好きだ。
だからロボットペットは夢のような存在である。

父親はプログラマーだったので、自分もその影響で、まだパソコンが一般家庭に普及する前からそれが自宅にあり、機械が好きだったし身近な存在だった。

父は動物が好きだが、祖母や母が飼わせてくれなかったため、いつも悲しそうな顔をしていた。特にコーギー犬が好きで、コーギーのぬいぐるみやおもちゃを慰めにベッドサイドに置いてあったのを見たときはさすがにかわいそうだと思った。そんな父の背中には哀愁が漂っていた。

私は動物全般が好きだった(魚以外)ので、小学生のときにタバコ屋の軒先で、複数の猫の飼い主を探していた時は連れて帰りたくてたまらなかった。でも連れて帰ったら殺されると思い泣く泣く諦めた思い出がある。

大学生の時に自転車でコンビニまで行ったら、真っ白でフワフワの子猫が足にまとわりついて離れなくなったことがあった。私が買い物に行っても、匂いを求めてか自転車に擦り寄っていて、帰ろうとしても全く離してくれなかった。仕方なく猫がちょっと目を離した隙に猛スピードで自転車を漕ぎ出し置き去りにしたが、本当は飼ってあげたかったし、あんなに人懐っこいということはもしかしたら捨て猫だったのかもしれない。
あの子猫のことは14年経った今でも忘れられない。

ペットを飼いたいという私の願望は年々大きくなった。小学校3年くらいの時にファービーというペットのような人形が発売されたので無理を言って近所のトイザらスに並び、買ってもらった。ファービーは手のひらサイズで、鳥型のモンスターのような風貌だ。
私は懸命にファービーに話しかけたが、コミュニケーションは一方通行で交わることはなかった。想像と違うそのおもちゃにひどくがっかりした記憶がある。ファービーは一日で私に飽きられた。

しかし、それから25年後くらいにまさかコミュニケーションできるロボットが一般的になるとは思わなかった。これこそ私の夢。
作ってくれた人本当にありがとう。

弱いロボット王国の資金調達はたいへんだが、いつか必ず実現させようと思う。
私にとってペットのいる生活自体が未知であるので非常にわくわくする。
その一方でたとえ、ロボットであっても生き物を飼うような責任が伴うと思っている。
機械だからといって、ただのモノではなく友達であり家族なのだから。

私はドラえもんが大好きだが、いつの日か彼がやってきた未来のようにロボットと人間が共存する世の中になっていくのだろうか。
それもまた楽しみであるし、不思議な感じもする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?