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【2021 短歌採用作品まとめ】

NHK 短歌
・入選

唐揚げとカルアミルクは合わないと気付いてたけど気付けなかった
(7/4放送 田村元選「居酒屋・飲食店」)
熱弁のいけにえになり干からびた烏賊を無言で食べてお開き
(11/7放送 田村元選「時間」)
・佳作秀歌
なにひとつリアルを知らぬ君なのになぜか一番好きなともだち
(9月号掲載 佐伯裕子選「SNS」)
・佳作
君はまだ認識すらもしていない死角から出て追い抜いてやる
(7月号掲載 佐佐木頼綱選「ライバル・宿敵)
もう少しこのままがいい盤面を睨むあなたの可愛いつむじ
(9月号掲載 大森静佳選「まだ・もう」)
深海のように光が届かないじっと寝そべりその時を待つ
(10月号掲載 佐佐木頼綱選「パラスポーツ」)
負けが消え華やぐ顔のルーキーを孫に見立てて可愛がる父
(11月号掲載 佐々木頼綱選「負ける」)
ゲーム機を見せてときみにひっつけばソファもきゃあきゃあ細やかに鳴く
(12月号掲載 佐伯裕子選「ソファ(リビング)」)

NHKラジオ 文芸選評

右側に真面目に前を向く君の鼻筋がありしばし見つめる
(5/29 伊波真人選「映画」)
土壁と同じ色した賞状が見下してくる金曜の晩
(6/12 野口あや子選「飾る」)
もうすぐに大人に戻る海水で軋んだ髪をほぐし終えれば
(7/24 梅内美華子選「海」)
連載派だけど頼りにされたくて君に貸すため買うコミックス
(12/4 伊波真人選「漫画」)
炊き上がりまで十五分ゆるゆると星取表を塗りながら待つ
(12/18 遠藤由季選「星」)

中日新聞 中日歌壇(島田修三選)
働きに見合わぬ量のカツ丼を平らげてから怒られに行く(10/31)
二人分の茶碗を洗っているきみの後頭部から踵まで見る(11/28)
左手に見えてきました銀杏を独り占めする人が祖父です(12/12 三席)
願えどもタイムリープはできなくて二度と会えない祖母のすき焼き(12/19 一席)

短歌研究詠草
CMの後もまだまだ続きます! みたいに直ぐに見破れる嘘
列島によく似たナンを千切っては怒りを腹の中にぶつける
瓜売りが瓜売りに来てドラマには美男美女しか出てこない夜
(11月号 島田修三選)

角川短歌 題詠
カーテンに包まれている夢を見てそしてふたりで迷子になった
(11月号 池田はるみ選「そうして(そして)」)

月刊うたらば
この街で暮らして行くと決めたから「ポイントカード?作ります、はい。」
(3月号「移」)
ヒーローは遅れてきます悪役は2時間早く楽屋入りです
(6月号「悪」)

Meets Regional 岡野大嗣と詠むレッツ短歌!
はふはふと味噌ラーメンを平らげて息継ぎなしで炒飯も行く
(9月号「飲食」)

取りこぼしはないはずです…。
2022年も頑張ります。

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