こんだあきこ

文筆家。またの名を土偶女子。 縄文時代、弥生時代、古墳時代の本やエッセーを主に書いてい…

こんだあきこ

文筆家。またの名を土偶女子。 縄文時代、弥生時代、古墳時代の本やエッセーを主に書いています。現在、東京新聞中日新聞水曜日隔週夕刊「譽田亜紀子の古代覗きみ」書いてます。Instagram@akiko_konda

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最近の記事

縄文人の暮らしって?

すでに核家族化していたの? 講演会でよく聞かれることがある。 「縄文時代の家族構成ってどんな感じだったのでしょうか」 たしかに気になるところだ。 父、母、子供2人というような、現代のステレオタイプの家族構成が縄文時代にもあてはまるのだろうか。 教科書や書籍の挿絵、博物館や資料館での復元展示を見ると、現代的な家族構成が多い。これは本当なのか?といつも思う。研究者の思い込みや理想、そうでないと論が組み立てられないなどのさまざまな要因が、現代の家族構成に寄せたイメージを作り上げて

    • 土偶頭、やってみてわかったこと

      訳あって土偶の頭を再現することにした。 いろいろ捉え方はあるだろうが、土偶の頭部表現を縄文人たちがやっていた髪型、と考えて再現している。 で、だ。 モデルにしたのは「ミミズク土偶」。 頭頂部に3つの突起を持ち、おでこには縦櫛を挿したと思しき表現がある。 ので、それも再現することにした。 縄文人たちがどれほど「洗髪」に対して意識があったのか、今を生きる私たちは知るよしもないが、今のように「毎日洗う」という意識はなかったはずで、であるならば、自らの皮脂によって、結構脂

      • 10万部の重み

        謹賀新年。 皆様におかれましては健やかな1年になりますよう、ご祈念いたします。 と、いうことで、わたしの1年も始まったわけですが、もう、いきなり大荒れでございます。 何がって、緊急事態宣言ですよ。仕事、飛びまくりです。ヒー。 新年早々、厳しい状況からスタートしたわけですが、 年末に考えておりました。 わたしにできることって、なんだろうって。 今のところ見えている出版予定の刷り部数を入れると、 わたしが今まで書いてきた著作の部数がおよそ10万部になるんです。

        • 男根比べ

          先日のとある酒宴の席でのこと。 「先日こんださんが投稿していたあの、なんですか。ほら、木の・・・・・・」 と、たしかこんな感じの会話でスタートしたのだけれど、それを受けてわたしは 「あ!男根の話ですね!だって、あれはどこからどう見ても男根にしか見えませんよ。男性陣も男根だ、シンボルだって言ってたじゃないですか」 と、爽やかに言ったわけです。 すると、そうそう、その話ですよ、と話が転がり、国立歴史民俗博物館にずらっと並ぶ、大小様々なサイズの石棒をみると、あ、これは俺よ

        縄文人の暮らしって?

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        • 縄文エッセー
          2本

        記事

          土偶図鑑は恩返し

          前回のnoteを書いて2日後、訃報が届きました。 山梨県で文化財行政に関わっていらっしゃった方の早すぎる訃報でした。 知らせを聞き、わたしは電話口で号泣しました。 なぜなら、その方が時間をかけて山梨長野の土偶を選定し、 土偶図鑑の資料としてわたしに託して下さっていたのです。 土偶図鑑を作ると決まった2018年。 各地方の先生方に協力をお願いしました。 この協力要請はさまざまな事情によりかなり難航しました。 版元に対して苦言もあったそうです。 土偶を親しみやす

          土偶図鑑は恩返し

          誕生日に死を思う

          昨日は誕生日でした。 45歳になりました。 あと15年で還暦なんだな、 そう思うと、 もの凄い焦りと、「やらねばならん」という意気込みと、 いろんな感情がウネウネと、蠢くのを感じました。 時間がない。 ここ最近、とみに思っていることです。 そして、わたしが縄文時代に生きた人たちに心を寄せるのは この点なのだと、やっと気がつきました。 わたしは、先史時代に関して書籍やエッセーなどを書いて暮らしています。 特に縄文時代に関するお仕事が多いのですが、 縄文人

          誕生日に死を思う