見出し画像

心を守るため
閉めた窓

パタンと音もなく
静かに閉ざす

吹き荒れる風からも
冷たく降る雨からも
守ってくれる窓

安心すると同時に
心がしんとなる

こころの奥にあった
柔らかで温かな
何かが一つ

ポキンと音もなく
静かに壊れる

それは大切なものだったような
そんな気がするけれど

どんな味だったか
どんな匂いだったか
どんな肌触りだったか

もう思い出せない


気づけば窓の外に
日差しが差していた

自分の心に
小さな光を見出した

それは忘れてしまっていた
大切な何か

柔らかで温かなもの

窓をそっと開けてみると
心に風が通り抜けた

色彩や香りや味わいを
思い出した

わたしがわたしである限り
窓はいつでも開くことができる
わたしがわたしである限り

サポートとそのお気持ちは、創作や家族の居場所づくりのために還元できたらと思ってます。