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20240405 残業学 中原淳を読んで

長時間労働は構造的

当時の外部環境に応じて、組織的に長時間労働を学習した結果である
そして、組織的学習結果が、時代に合わなくなった時、弊害が生まれる

日々、残業に向かい合うそれぞれの想いがありながら、そ「全体」が、想いの単純な総和を「超え」、うねりのような姿で現れてくれるのが、この問題の根深さ

対応策として、組織の学習的無力感を避けながら、実行する

組織学習:麻痺、集中、感染、遺伝
対策概念
具体策

レベル0:失敗を避ける、
レベル1:①単純接触効果、②モニタリング、③リーダーの関心
レベル2:④アンラーニング=学習棄却、⑤人材・組織開発、⑥ムラからチームへ

レベル0:失敗を避ける

中途半端な残業削減策は従業員に「無気力」を学習させてしまう
改革が続かなくなる→「上司・同僚が実施しなくなる」、「多忙で施策の余裕がなくなる」
2~3ヶ月後頃から、「同僚」実施しなくなり、半年後には、「上司」実施、指示しなくなる


ノー残業デーなどの、「外科手術」に失敗すると「残業のブラックボックス化」「組織コンディションの悪化」「施策の形骸化」を招く
「会社は本気だな」と腹落ちしてもらうしかない

①単純接触効果

同じ時空間にいて、「より頑張っている姿」を「仲間たち」に見せているかどうかが、上司の評価や職場内の序列、そして出世に大きな影響を与えていた。
これを利用し、新たな形で、目に見せる(モニタリング)

残業を削減しようとしていることを、複数の媒体、チャネルを通じて、告知していく。本気度が伝わる(リーダーの関心)


常に、様々のチャネルで、見せていくこと、変化していること、繰り返し伝える

②モニタリング

社員が頑張った結果が目に見える形で示さなけば、モチベーションを保つことは難しい社員が頑張った結果が目に見える形で示さなけば、モチベーションを保つことは難しい

上司の評価、職場内の序列でなくて、データを根拠として見せる

「職場にどのような問題があって残業になるのか?→どのようなマネジメント行えば残業が減らせるのか?」といった因果やマネジメントの解決策は、社員から見えなくても良い。
一方で、誰に(どの部署)にどの時期に、どのくらい集中しているのかが見えて、自分たちの行為・改善の結果が見えると良い


③リーダーの関心

昭和にあったのは「ハレ」の残業、平成から今は「ケ」の残業
→同じ残業に見えても、発生や捉え方が異なるにので、施策は現場に任せていく方が望ましい

人に直接かかわる教育系の仕事にサービス残業が多い
→断りにくいし、相手のためといった論理が起きやすい
職種による課題だとしても、緩和策を提案できる職場になったからで良くて、手を付ける順番を提示する

「突発的な業務が頻繁に発生する」→残業の集中と感染が起きる
「人手不足が重なっている職種」→加速する


レベル2

④アンラーニング=学習棄却

組織の中の個人は、退職、採用を繰り返して、どんどん入れ替わっていきます。また、個人が出す成果はその人の意欲や能力などに左右されます。
ですが、個人の中に蓄積された学習の成果が組織に共有され、広がり、定着し、仕組み化されることで、なぜか「人が入れ替わった」としても組織の能力、学習効果として組織内に残り続けるものがあります。それが、「組織学習の成果」に他なりません

「市場・環境が変化している中、このままだと自社がどのように推移していくか、経営の数字をもって語ること」
そして、施策を語っていく


⑤人材・組織開発

「学習というレバリッジを元に、個人の能力・スキル・信念などを、組織の目標や時代と同期させること」
人材開発とは、マネジメント層の育成になります。
組織開発とは、組織を機能させるために、職場ぐるみで変化を引き起こすこと

ガチ対話は未来づくり
調査データを見ながら出てくる「邪念」あるあるは、「去年こういう制度を導入した影響だろう」「この部署は新人が多いからね」「最近統合した部署じゃないか」…なんとなくそれらしい「推測」「言い訳」.…

仕事の責任範囲が明確であればあるほど、優秀な人への仕事の偏りが抑制される→職務分掌を使いこなせるほどの組織ではない


多くの人にとって、「量をこなすことが成長につながる」といった思い込み
→「量をこなすことも成長につながる」
これをデータを使って示せるなら、やるべき。そうでないと、ブラック化する

⑥ムラからチームへ

同じ時間と空間を過ごすことによってもたらさせる
「あ・うんの呼吸」「コミュニケーションコストの低下」に重きが置かれます

同じ時間と空間を過ごす「ムラ」から、同じ目的に向かって進む多様な人が集まる「チーム」へと


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