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20240422 クリスタルボール エリヤフ・ゴールドラット

コンセプト

あとがきと帯が、TOCの標準解の組み合わせに誘導していて、
「異常な時に上手くいったルールは、通常の時にも使えるなら、それは最強のルール」、
「言い換えると包括ルールが強い」という新しい主張が薄くなった。

タイトル「明らかじゃないですか?」の和訳では、うまくないけど、前提を覆すコンセプトは変わっていない

この小説の前提は、季節変動の少ない業界で、需要が限りない
現実では、季節変動があったり、斜陽の業界がある
この業界で上手くいく考え方(ルール)は、他の業界でも使える可能性を示唆している

慣性の法則と学習

脳は、なるべく働きたくないので、自動化しようとする(ヒューリスティック)それを繰り返して、うまくいっていたなら、変えようとは思わない

変則的なやる方で得られた、驚くような結果を検証して、それから取り扱うSKUの数を増やした影響も検討してみた。そうしたら、だんだん本当の結果が見えてきたんだ。
最初は一気に売り上げが伸びたが、その後、毎月品切れが増えてきて、それに比例して、売上が減ってきている…半年後にはスタート地点にいる
→新しいルールよりは、現在のルールを良しと思ってしまう性向がある

みんな、毎日、少しずつ賢くなってきているんだ(シリアルキラーの学習、学習性無力感…)
→人の成長を踏まえた、仕組みの設計でないと将来破綻する

2005年に「コストに縛られるな」が刊行されている。2009年当時の日本でも、DCの知識は浸透していない。
2024年でも惨憺たる結果。FCを身に付けた人の増産速度に、DCの増加速度に追い付いていない現状。

在庫を十分置いておかなければ、売れる日でさえ売れなくなってしまう
1日平均の売上の20倍相当(この時は、20日分と言わない、その後20日分となる)

予測される結果のCLR

店の中の在庫がずいぶん減ったから、ディスプレーも良くなった
(反対が、ドン・キホーテ)
店に来るお客さんの数は変わらないのに、毎日売上は20、30%増えている

品切れは減り、売上が増えた、これがシステマティックな方法だとする

僕の店からオーダーが入って、君のところに半端な在庫しかなければ、それは人気アイテムということだ(CLRの予測される結果)

商品が品切れしていて、みんながいつもブツブツ文句ばかり言っているので、すごく重要なことなんだという先入観があって(混乱している)本当はどれだけ影響があるのか、ちゃんと調べなかった

在庫が少なくなると、閉店するんだと思う。説得しても聞いてくれない
なので、閉店しないというメッセージを、仕組みと仕掛けで伝える
本当に新しいアイテムが入ってくるんだったら、店は閉店しないということ
→口下手な社長には、こういう伝え方もあることを報せたい

小さなところから試す

あのコンピューターシステムだと、部分的な出荷が認められない
さっそく、今から表計算を使って、プログラムを作ろう、DBRの信号機
→大規模なシステムは不要、まずエクセルそしてkintoneで十分

店ごとのミニ倉庫で上手くいっていた
「どうして、何か所もいるんですか? 1か所で十分じゃないですか?」
→ここでも、包括的なルール適用が見られる

倉庫を持つようになると、実際に各店から入ってくる注文の量と、サプライヤーから仕入れる一番経済的な量とは、切り離して考えることができるようになる→だから、変動の防波堤になるんだ

うまくいって、規模が拡大すると、問題が大きくなっていく(この場合は、川上に)

根本は自分たちの考え方


根本的な問題に直接働きかけない限り、飛躍的な改善は期待できない

どうして、競争相手なんかと比べるんだ。どうして、自分たちに何ができるかをもっと考えないんだ
→誰かと比較する必要がないのに、比較してしまう

#クリスタルボール
#エリヤフ・ゴールドラット

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