ともだち

大学卒業以来に、友達に会った。
彼女のおうちが神社で、そこで未だに挙げられていない結婚式をやりたかったから。打ち合わせをして、そのあともうひとり大学時代の友達と合流して、お昼ごはんを3人で食べた。

神社で神様にお仕えしている彼女とは、実は大学時代はそんなに仲良くなかった。でも、同じ大学の寮で時間を過ごし、同じ委員会に所属していた。
委員会というのは、学生寮の中でのもの。風紀委員、美化委員、文化委員。私は文化委員。彼女は文化委員のトップだった。

文化委員は、男子寮と合同でもちつき大会とか、おまつりごとをやるときに、企画をしたり、会場を装飾したり、思い出のお手伝いとして写真を撮ったりする委員会だった。華やかで楽しそうなんだけど、目立つかんじのキラキラ女子が多くて、地味で話が下手くそな私にはなかなかきつかった。

また私は会場の装飾を担当していて、事前に看板を描いたりしていた。のだけれど、その会場装飾係はとにかくまとまりがなくて。そんなん作りたくない!うちらバイト忙しいしー!っていう女の子が複数いて。委員会の中でもお荷物。男子寮の文化委員ともぴりつく……というありさまだった。

私は当時、誰とでとにこにこ喋れて、友達もたくさんいる文化委員トップには、私の気持ちは分かりっこない。言ったところで何の解決にもならない。むしろ彼女は敵だ!ぐらいに思っていた。

けれど大人になって振り返ってみると、きっと彼女は私のことを悪く思ったりする余裕がないくらい、いつも一生懸命だったんだよなぁ、っていうことが分かった。今の彼女の働きぶりを見ていたら、そうとしか思えなくなった。

今日も数時間一緒にいたけれど、よく笑って、ひとの目をしっかり見て話をして、挨拶だったりお礼だったり、当たり前のことがきちんとできる、とてもとても性格のいい女の子だった。

大学のときさ、もっと愚痴でも何でもたくさん話をしてさ。喧嘩だってしてみたかった。一緒に頑張ればよかったって思ってるんだ。
彼女に伝えたら、すごく嬉しいよ!って感激してくれた。
当時は彼女も辛い思いをしながら頑張っていたことが今日分かった。やっぱり人の上に立つと嫌われたり、誰かと対立することも多かったらしくて、友達たくさんのキラキラ女子!と思ってた彼女は、たくさん心ない悪口を言われながら、委員会の仕事をしていたそう。いつも笑ってたから全然気づかなかった。

彼女は尊敬できて、すごく自慢できる最高のともだち。
大学のときは分からなかったけど、今こうして縁をつなげてよかった。
わたしもがんばろう。

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