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【書評】ボイステック革命  GAFAも狙う新市場争奪戦

【本の概要】

Voicyの代表・緒方憲太郎氏による著書。本書で根幹となるのが「音声が社会を変える。スマホ登場以来の大きな変化をもたらす」という考え方。それをもとに、今音声の世界で何が起こってるのか・音声が社会をどう変えていくのか・これからの音声市場はどうなるのかについて筆者の考えが記されている。

【既存メディアと音声メディアの違い】


著書の中でも記されているが、音声メディアと言うと「動画で事足りるのでは」と思われがちである。筆者は動画を含めた既存メディアと音声メディアの違いについて下記のように述べている。

①隙間時間を活用できる

テキストや画像、動画などと比較した時の、音声の最大の特徴は、何か別のことをしながらの「ながら聴き」ができる点にある。隙間時間が隙間でなくなる。

本書より

現代において情報のインプットは一般的にスマートフォンを見ながら行われる。つまり画面を見れない時間(運動中や家事の最中など)は既存メディアの活用が難しいケースもあるが、音声だけであればその時間を有効活用する事ができる。

②発信に手間がかからない

(音声メディアは)忙しい情報発信者と忙しい受信者を繋ぐことができるメディア。

本書より

発信者にとって情報発信が非常に簡単で、手間や時間がかからないのも大きな違いだ。
例えばYoutuberは10分の動画を作るのに数時間かけるのが当たり前などと言われているが、音声メディアであれば凝った編集などは基本的に必要ない。そのため、10分の音声コンテンツは基本的にほぼ10分で作れる。

③人間性を伝えられる

この部分は賛否両論もありそうだが、筆者は音声メディアの特徴を下記のように述べている。

人の声は最も温もりを感じられる表現方法だ 。
(中略)
音声の本人性はテキストや画像、動画などに比べると高い。感情や心の動きがそのまま伝わるし、加工の余地が少ないと捉えられている。
(中略)
発信者の人となりや生き方、思いなど、人としての魅力も伝わりやすいパーソナルのメディアだ。 

本書より

画像や動画では視覚情報によってどうしても先入観を持ってしまいがちだが、音声の場合はその要素が少なく、故に発する人の「素」がそのまま伝わりやすいメディアであるとも言える。

【音声技術が今後どのように活用されるのか】

著書内では音声技術が今後どのように世界を変えていくかについて様々な観点から議論されているが、主要な部分をまとめると下記の4つが挙げられている。

①機器の操作代行

→ IoT 家電の操作をスマートスピーカーで代用するなど。ボイステックと聞くと真っ先に思いつくであろう領域。

②記録業務の代用

→書類作成に音声入力を活用することで手間を削減するなど。パソコンの手打ち(ないしは手作業で書く行為)を無くす事ができ、医療や介護など書類が多い業界で特に有効活用が見込まれる。

③受付・アナウンス業務の代用

→音声認識によって機械が人の言葉を理解し人口音声が返す。無人店舗でのアナウンス業務や・車内放送などが人手を介さずに可能になる。更に技術が発展するとコールセンターが全て自動化する等も考えられる。

④孤独問題の解消

→上述の技術を応用することで、高齢者などで深刻化している「寂しさの解消」「孤独問題の解消」と行った効果を期待できる。
特に音声であればスマホやPCなどの複雑な操作なしでも受発信できるので、シニア層にも受け入れられやすいのではないかと予想される。

【感想】


いい意味で予想を裏切られる本でだった。ページ数も少なくサクッと読めるが、内容は非常に興味深く個人的にはオススメできる本だと思う。

読む前はボイステックと大層な事を言っても結局はDX領域の一つで、 今注目されている分野の一つぐらいにしか思ってなかった。しかし本当に世界を変える可能性があるんだなという”夢”を感じさせられた。

個人的に印象的だったのは音声入力技術の発達で、精度の高さとスピード速さには心から驚いた。この原稿入力も音声入力で初めてやってみたが、PCでタイピングするより半分ぐらいの時間で終わった。
将来的に入力が全て音声になるという世界線を考えると、ボイステック市場はとんでもない可能性を秘めているなと改めて痛感する。

まだまだ未成熟な市場なので、今後どのようなプレイヤーが現れて世界がどう変化していくのかについて、とっても楽しみになった 。


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