俺の名は

今日の動画はアカデミー賞主演男優賞も受賞した、大物人気映画俳優デンゼル・ワシントンがトークショーに出演した際の、名前にまつわるエピソード。内容自体大したものではなく、だから?となるでしょうが、その裏側にある社会背景も最後に解説しています。

“How Do You Pronounce Your Name?”
「あなたの名前どう発音するの?」

Denzel Jr. Washington: Actually, it’s Denzel.

「本当はね、デンゼルなんだよ」

Host: Oh no, is it really? So, what’s your Dad Denzel?

「え、本当に?君のお父さんデンゼルは?」

Washington: Well, he was Denzel. And, haha, yeah, yeah, yeah. And, I’m Denzel Junior. So, my mom started calling me ‘Denzél’. Just so, you know, she says, “Denzel,” we both will show up.

「そうだね、彼はデンゼルだったんだ。そう、笑 僕はデンゼルジュニアなんだ。だから、僕のママが(語尾に強調)デンゼル、って呼び始めたんだ。分かるだろ、彼女がデンゼルって言うと、僕ら2人とも出て来るんだよ」

Host: I see.

「わかるよ」

Washington: So, she started calling me...

「だからね彼女は僕を(話を遮られる)」

Guest: Pronunciation thing, yeah, yeah.

「発音の問題だね、うんうん」

Host: But now, you’ve gone back to... So, you are Denzel now?

「じゃぁ、今はえーっと戻ったの...デンゼルに、今は?」

Washington: No, I’m Denzel. Denzel.

「違うよ、デンゼルだよ、デンゼル」

Host: So, what I’m saying? Denzel?

「あれ、違うの、デンゼルじゃ?」

Washington: ‘Denzél’

「(再び語尾に強調)デンゼル」

Host: That’s always trouble

「もうお手上げだよ」

解説: アメリカ人の名前は本当に難しい時があり、綴り通りの発音じゃなかったり、同じ発音の名前でも綴りが違ったり(これは日本語の漢字と一緒な感じかな)、どこにイントネーションが来るのか、本人にキチンと確認しないと失礼になる。特に、アフリカ系アメリカ人の名前の発音は特徴的で、白人のそれと又違い、そこに人種感差異で笑いになる事があり、ジョークとして使われるが、空気を読まないと喧嘩になる事もあるから、異文化の人間には難しい。

余談ではあるが、黒人さん達同士ではお互い「nigga」と言う(通称Nワード)蔑称で呼び合う事がある。彼等にとってはそれは同人種に対する親近感を以って使用しているが、これを他人種がなんの脈略も無く使用すると大変な人種差別用語になる。絶対に使ってはいけない言葉の一つです。しかし、彼等から直接「お前は俺のniggaだ、お前も俺の事をniggaと呼んでくれ」となると、それは多大なる親近感、友情を込めて言ってくれる場合があるので、それは喜んでイイです。しかし、そういう関係性がない、違う人には絶対言ってはいけません。

アメリカの歴史は奴隷の歴史、地域によっては人種差別が未だに根深く残っています。2月はアメリカ社会では黒人月間で、アメリカ社会の歴史の中での黒人文化の特集やイベントが全国であり、メディアでも大々的にに取り上げる。この文化に対して、黒人俳優のモーガン・フリーマンはインタビューに際し、「下らない」とこき下ろしている。彼によれば「俺はアメリカ人だ。それ以上でもそれ以下でもない。君はユダヤ系だろ。逆に聞くけど、君はユダヤ人月間特集して欲しいかい?」と物申していた。しかしながら、人種差別に敏感な彼等の中でも、最近では(コロナウイルスが中国由来だと信じている為)アジア人コミュニティに暴力的行為を全国的に広がっている。2020年には白人警官の無抵抗な黒人市民への業務上過失致死による事件が引き金でBLMデモが大々的にメディアによって煽動されたのは記憶に新しいのだが。現代に至っても、何か社会的問題がある際に、個人ではなく、人種に注意が行ってしまう傾向があるのがアメリカ社会、文化でもある。

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