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衣料害虫ヒメマルカツオブシムシとの果てしない戦い~大事な服を守り抜く方法~

ヒメマルカツオブシムシという虫を知っていますか。
この名前を聞いただけでピンとくる方は、あまりいないのではと感じています。
名前だけ聞くと、まるでアニメのキャラクターのようで可愛らしいのですが、実際は何ひとつ可愛らしいことをしてくれません。

ヒメマルカツオブシムシは衣類を食べる虫です。
みなさんが大事にしている服を食べる犯人は、この虫だったのです。

今回はいかにヒメマルカツオブシムシとの戦いに打ち勝ち、大事な服を守り抜くか、私が日々実践している戦略をご紹介したいと思います。



ヒメマルカツオブシムシとは?

ヒメマルカツオブシムシ、ヒメカツオブシムシと呼ばれる虫は、衣類を食べる虫です。鰹節を主に食べていたことから、このような変わった名前になったようです。鰹節を食べられても困りますが、この幼虫は大事な服まで食べてしまいます。
衣類を食べる虫は、この2種類のほかにもいますが、今回はヒメマルカツオブシムシで統一させていただきます。

ヒメマルカツオブシムシの生態


寒い冬が終わり春先になると、いろいろな虫が出てきます。
ヒメマルカツオブシムシも春になると飛んでくる虫のひとつ。
春に飛んでいるヒメマルカツオブシムシは、成虫です。

成虫は衣類を食べず、マーガレットなどキク科の花の蜜を吸って生活しています。
白色が好きなので、白色の洗濯物が干されていれば、ピトッととまってしまいます。振り払わずにそのまま洗濯物を取り込んでしまえば、ヒメマルカツオブシムシの部屋内への侵入を許してしまうことになるのです。

これに加え、外出時の服や植物から侵入してきたヒメマルカツオブシムシは、まだ衣替えが終わっていない冬物衣類の上に産卵します。
そして、孵化した幼虫が衣類を食べて大きくなります。

大事な服を守る~防御編~


ヒメマルカツオブシムシはホコリ、湿気、暗い場所が大好きです。

ヒメマルカツオブシムシは成虫になるまで何回も脱皮を繰り返します。
まるで毛虫のような幼虫の見た目、脱皮跡の気持ちの悪さ。
見つけたときには、ゲジゲジしていない成虫でさえ、毎回寒気がします。

自分の部屋にある服に虫食いの穴、脱皮跡を見つけたときのショックといったらありません。
他にも被害を受けた服があるのではと不安になりました。

巣窟がどこかにあるはずと考え、部屋中を徹底的に掃除しました。
パターンとしては、ベッドの下である場合が多いです。
普段動かさない家具の下や隅は、ホコリが溜まりやすいため、どんなに大変でも面倒であっても、汗だくになって定期的に掃除しようと、この日誓ったのでした。

私は、使わない服やシーズンオフの服は、蓋つきの密閉収納ケースに保管しています。ヒメマルカツオブシムシが侵入しないよう、開閉時には細心の注意を払います。
また、防虫剤は密閉収納ケース中で使用することにより、長持ちしている気がします。
汚れが残っていれば、その箇所は被害箇所となり得ますので、一度でも袖を通した服は、確実に洗濯しましょう。

クローゼットには湿気対策として、湿気取りを置いていましたが、すぐ水が一杯になるので不経済だと感じていました。今は、完全には難しいものの、粉洗剤の箱を開けて置き、代用としています。
湿気含んで固まったら、洗濯に使うか、ほぐしてまた再設置しています。

基本的な掃除、洗濯、湿気対策は、ヒメマルカツオブシムシから大事な服を守る防御となります。

大事な服を守る~攻撃編~


ヒメマルカツオブシムシの弱点は、水と熱です。

こまめな洗濯とアイロン、これが基本の攻撃になります。
そして、防虫剤です。
みなさんはクローゼットや収納ケースなど、衣類をしまう場所に何かしらの防虫剤を設置していることと思います。
この防虫剤は、ヒメマルカツオブシムシを寄せ付けないためのものなのです。
防虫ではありますが、私はこれが自分たちのできる攻撃であると考えています。

防虫剤に含まれるピレスロイドという化合物は空気よりも重いため、服の最上部に置きましょう。
また、服は上に重ねて収納せず、立てて収納することをおすすめします。
立てることで、服の下に影ができず、暗い場所を好むヒメマルカツオブシムシがいづらくなるからです。

防虫剤の成分は、ピレスロイドという化合物であり、プロフルトリンやエムペントリンなどと成分表示に記載されているかと思います。
これらは、常温で揮散し、衣類に対する害虫に有効であるとされています。
このピレスロイドというのは、除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花に含まれる天然殺虫成分ピレトリンに似た化合物です。

そして、侵入経路となる出入口の部屋のドアやベランダ側に、アースノーマットを設置。
成分としては、メトフルトリンですが、同じピレスロイド系なので、蚊対策になりますし、効果があれば一石二鳥だと思っています。

このピレスロイドは、殺虫効果はありますが、人体には影響がなく、体に入っても速やかに分解し、無毒化され体外へ排出されます。

まとめ


私がこんなにも必死になっているのは、あるブランドの服が大好きだからです。
今はファストファッションブームですから、低価格の服を毎年買い換えるといったスタンスの方も多いと思います。
それでもお気に入りの服や、流行に流されないアイテムは何かしらあるのではないでしょうか。
もう手に入らないものだって、たくさんあるはずです。
大事にしていても経年劣化はありますが、虫食いで台無しなんて悲しい終わり方は受け止めきれません。
防ぐ手立てがあるのですから、私は今日も全力でヒメマルカツオブシムシに立ち向かいます。
この記事がみなさんの大事な衣類を守る参考になれば幸いです。


参考:KINCHOホームページ(https://www.kincho.co.jp/gaichu/column/piresroid.html)


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