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コミュニケーションで大事なこと(5)

 「コミュニケーションで大事なこと(3)」では、たくさんの「スキ」をしていただきありがとうございました。
 今回は・・・Sさんが施工会社や工事監理者の話を受け入れられなかったのに(たぶん同じ話をした)私の話は受け入れてくださった理屈(=私の思う理由)を次回を含め2回に分けてお話します。

 私の中に沁みついている会話(コミュニケーション)の原理をお話しできたらなあ・・・と思っています。

本シリーズのブログはこちら・・・
  コミュニケーションで大事なこと(1)
  「
コミュニケーションで大事なこと(2)
  コミュニケーションで大事なこと(3)
  コミュニケーションで大事なこと(4)

心のコップ

 私が15年くらい前にコミュニケーション・サポーターの横山由紀子先生のセミナーに参加して、大変感銘を受けた内容に基づいて、私の解釈というか実感をお話します。

横山先生のお話

 先生が教えてくださったのは・・・

 誰にでも心の中に「コップ」があります。これを「心のコップ」と呼びます。
 「心のコップ」の容量は人によってさまざまですが、その人が生活している中で受け取ったけれど(感じたけれど)・・・心の中から吐き出せない(消化できない?)「気持ち」が溜まっていきます。

 誰かに自分の話を伝えたくても・・・その誰かの「心のコップ」が「気持ち」で一杯になってしまっていたら、(「心のコップ」にはそれ以上何も入らないので)自分のメッセージを相手にきちんと受け取ってもらうことができません。

 つまり・・・自分のメッセージを相手に受け取ってもらうためには、まず相手の「心のコップ」に溜まって一杯になっている「気持ち」を受け取ってあげる必要があるということです。
 「気持ち」を受け取ってもらうことで「心のコップ」に余裕(空き)を作ることができ・・・そこで初めて自分のメッセージを受け取ってもらえる余地ができるからです。

「心のコップ」を空にするには・・・

 横山先生は、相手の「心のコップ」から「気持ち」を受け取る(空にする)には「相手の話を聴くこと」が必要・・・と話されます。

 先生によると、人は「自分の話を聴いてもらう」ことで(共感してもらうことで)「心のコップ」に溜まった「気持ち」を外に出すことができる・・・といった内容を(皆様お馴染みの)アブラハム・マズローの「自己実現理論」を交えて話してくださいました。

マズローの「自己実現理論」とは?

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したもの・自己実現論(マズローの)欲求段階説、欲求5段階説、など、別の異なる呼称がある。

★5段階の欲求を最下層から説明★

「生理的欲求」とは?
 生命を維持するための本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。極端なまでに生活のあらゆるものを失った人間は、生理的欲求が他のどの欲求よりも最も主要な動機付け

「安全の欲求 」とは?
 安全性、経済的安定性、良い健康状態の維持、良い暮らしの水準、事故の防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求

「社会的欲求 / 所属と愛の欲求」とは?
 自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。情緒的な人間関係についてや、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚

「承認(尊重)の欲求」とは?
 
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求

「自己実現の欲求」とは?
自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。情緒的な人間関係についてや、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚

★マズローが考えたこと★
 人は誰しも・・・
 「生理的欲求」を達成したら「安全の欲求」が欲しくなる。
 「安全の欲求」も達成したら「社会的欲求」が欲しくなる。
 「社会的欲求」も達成したら「承認の欲求」が欲しくなる。
 「承認の欲求」も達成したら「自己実現の欲求」が欲しくなる。
★おまけ★
 「自己実現の欲求」も達成してしまうと「自己超越」を目指す。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
「マズローの欲求5段階説」(八木仁平公式サイトより引用)

横山先生のお話を要約すると・・・

 「自己実現の欲求」を欲している人(=最上級の満足を求めている人)は、「承認の欲求」が満たされているので「心のコップ」が一杯になることがない。だから、いつでも相手の話を聴き入れてもらえるけれど・・・この境地に達している人は少数かもしれない。

 多くの人が「承認の欲求」や「社会的欲求 / 所属と愛の欲求」を欲している人と仮定すると・・・(その欲求を満たすために)「心のコップ」が一杯になっているかもしれない。
 だから、「心のコップ」を空にするため・・・まずは「話を聴いてあげる」ことが必要(必須)・・・ということになると思います。

「聞く」?「訊く」?「聴く」?

 また、セミナーの中で横山先生は「聴く」を深掘りされました。

 「話をきく」の「きく」の漢字には・・・「聞く」「訊く」「聴く」の3種類あります。
 横山先生は「3種類の『きく』の内・・・『聞く』と『訊く』では相手の『心のコップ』に溜まった『気持ち』を空にすることは、できません。でも「聴く」ことができたら・・・空にできます」とお話されました。
 その上で、まずは相手の話を聴くことに努めましょう!と、「聴く」ためのコツを幾つか話してくださいました。

 でも・・・「聞く」「訊く」「聴く」の違いってなんだろ?
 次回は・・・「聞く」「訊く」「聴く」の違いを考えたいと思います。  (つづく

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