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コミュニケーションで大事なこと(9)

 前回は・・・松下幸之助さんの「素直な心」を取り上げました。
 今回は、「聴く」ことで得られる効用について考えます。

 「ひのなおみさんのインタビュー秘話」と、私の体験(=先日開催されたPマンションの「委員会にオブザーバ参加されたSさんの話」)を交えてお話したいと思います。(今回は「ひのなおみさんのインタビュー秘話」です)

本シリーズのブログはこちら・・・
  コミュニケーションで大事なこと(1)
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コミュニケーションで大事なこと(2)
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コミュニケーションで大事なこと(3)
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コミュニケーションで大事なこと(4)
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コミュニケーションで大事なこと(5)
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コミュニケーションで大事なこと(6)
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コミュニケーションで大事なこと(7)
  コミュニケーションで大事なこと(8)

ひのなおみさんの「聴く」

 私は、日野さんが日経時代に書かれた記事を(たぶん読んだことはあるけれど)全く覚えていませんが・・・編集者として関わられた書籍の一覧を拝見すると、心に残っている本が多いなと思います。(特にダイヤモンド社に移られて以降かな?・・・最近発刊された中では深井龍之介さんの「歴史思考」が超おもしろかったかも?)

 日野さんが本を仕上げるために作者とキャッチボールをされる時にも「聴く」スタンスが効いているのでは?と思います。
 何となくですが・・・日野さんが関わられた書籍には「どんな読者にも分かり易くメッセージを伝える」的なコンセプト(日野節?)が見える気がするからです。
 色々な作者がおられるので気持ちよく書籍を日野節で?仕上げてもらうためにはご苦労が絶えないと思います。

 日野さんって「聴く」効用を発揮されているなあ・・・達人やなあ・・・と感心した日野さんのインタビュー秘話をVOICYで話されていたので、ご紹介します。

日経時代のインタビュー秘話

 日野さんは、大企業の社長や会長等の財界の大物にインタビューする機会が何度もあったそうです。
 例えばインタビューする時間が1時間だった場合・・・日野さんは「最後の残り15分で興味深いお話をしてくださることが多い」と話されています。

 日野さん曰く・・・
 初対面の方にインタビューする時は、当然ながらインタビューする相手のことをできる限り事前に調べて臨むそうです。
 でも相手は(これも当然ながら・・・)インタビューする日野さんのことを名刺に書かれた肩書くらいしか知りません。

 そんな状態でインタビューが始まるので・・・相手は、例えば○○会社の社長とか会長といったか肩書を背負ってインタビューに臨まれるケースがほとんどなのだそうです。(・・・そりゃそうでしょう)

 でも日野さんが記事にしたいのは、その方の「人となり」や「お人柄」または、そこから滲み出る「エピソード」なので・・・
 最初の45分間は、その方の肩書きという鎧を脱いでもらうためにお話をしていただくのだそうです。
 最初の45分間、日野さんは相手の側に寄り添って話を聴くことに費やす・・・ということなのでしょう。

 そうやってインタビューしている方から肩書という名の鎧が脱げて・・・最後の15分に日野さんが本当に記事にしたい話をしてくださるパターンが多かったのだそうです。

 つまり最初の45分間のコンセプトは、インタビューされる側に(この人なら話しても大丈夫!という)信頼をしてもらう時間というか、安心してもらうための時間というか・・・要するに相手が話しやすい、思わず話してしまいたくなるような環境を作ることに費やされているということなのだと思います。

 「聴く」ことで信頼をしてもらえる(=私の話を受け入れてもらえる)最近の実体験として・・・Pマンションで大規模修繕工事の施工会社や工事監理者(建築士)にクレーマー扱いされたSさんにもありました。  (つづく)

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