専業主婦やってみた その2

夜更かし派の人たちにはわかってもらえると思うが、夜の時間の流れは、昼間のそれとは違ってなんともいえないリラックスした感覚がある。やらなくてはいけないことがあっても、取り合えず朝になるまではオフタイム。
昼間は様々なToDoに追われているけど、夜になれば、「もうこんな時間からやっても仕方ない、取り合えず今日は営業終了」ということにできる。
ほんとうはやり残したことが明日に回るだけだから、単なる現実逃避なのだが。そしてそのまったりとした時間に踏ん切りをつけて、さっさと布団に入るということができない。結局、テレビや動画を見ていることがほとんどで、何か特別なことをしているわけではないのに。

そして朝は決まった時間にやってくる。当たり前だが、夜更かしした翌日の朝は眠くて最悪だ。もう誰かに全部やって欲しい。でも仕事をしている夫に平日に家事を分担してくれとは言えない。なんとか起きて、子供に朝食を出し、弁当を作り、昨夜の洗い物を片付け、子供を見送ったあとゴミ出しに行く。運が悪いとカラスが食べ散らかしたゴミに遭遇して、それを片付けるはめになる。仕事をしていた時は、散乱したゴミを横目に自転車で駅に向かっていたが、今はやらざるを得ない。だって家にいるんだから。
このあたりまで来たら朝食を食べながらテレビを見る。おなかが空いていなければ、朝食も食べずにソファでゴロゴロしながら情報番組を見続ける。そうこうしていると眠気に襲われ二度寝。

ほとんど何もしていないのになぜか夕方になってたりして、ようやく洗濯物に着手する。洗濯物を仕分けしてネットに入れ、ワイシャツと白い靴下は手洗いして洗濯機へ。この一手間がなければ、洗濯機に洗剤を投入してスイッチオン!で良いのだが、それができない。洗濯が終わっても、茶色い汚れが残ったシャツや靴下を見たくないから。洗濯が終わる頃には、太陽は沈んでいるので、部屋干しが基本。

すっかり暗くなってから、買い物に出かけ食料品を購入して帰宅する。
自分が働いていない分、節約はしなければという思いが強いので、高いものはなるべく手を出さず、お惣菜も頻繁には買わないようにして夕飯を作る。
夕飯のあと、余力があれば皿洗いまでやって終了だが、休憩をはさんでソファに行ってしまうと、テレビや動画を見始めて後回しに。

そんな生活を続けていたら、いざ寝ようと思って布団に入ってもなかなか寝付けないようになってしまった。運動不足と深夜までブルーライトを浴び続けた結果、気がつけばほとんど日光を浴びない生活になっていて、ついに身体に異変が生じたのである。
それまでは、寝つきが悪いことはあってもせいぜい1時間もすればいつの間にか眠りに落ちていたのが、だんだん目を閉じていても何時間も眠れず、ついに朝まで一睡もできなくなってしまった。さすがにまずいと思った私は、ネットで不眠解消に効果があるとされることを探して試してみることにした。今思うとその頃は考え方もネガティブになっていて、不安感も強くなり、過去のことを思い出して後悔したり、自分を責めたり、精神的にも不調をきたしていた。
(次回に続く)

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