専業主婦やってみた~最終回

私が専業主婦だった時期は、今までで2回。1回目は、出産と子育てのために10年半勤めた会社を退職した後の13年間。2回目は、このブランク後に仕事復帰して約5年間働いて、再び無職となった2年9か月間である。

今回の「専業主婦やってみた」は、2回目の専業主婦体験について書いたものだ。
仕事を辞めて帰宅した日は、「明日から通勤なし!二度寝もOK!自由だ~」と解放感を味わったものだ。しかし現実には、世の中にはコロナが蔓延し、自由とは程遠い閉塞感と不安に満ちた日々が待っていた。

そもそも専業主婦になろうと思って始まったものではなかったので、常に「仕事いつから再開しよう、家にいるからには家事はサボれないなあ」という思いがベースにあった。そんな思いがベースにある割には、家事は手抜きが基本スタイル、一日中家にいるのにほとんど何もやってないことも珍しくなかった。
そして働いていないという罪悪感が、時間があるからできることや、ほんとうはやりたいことにことごとくブレーキをかけてきた。
例えば、買い物に出かけてちょっと気になる服を見つけても、仕事してないのに自分のものにお金をかけるのもなあとか、面白そうな本や雑誌を見つけても、買うのはやめて図書館で借りようとか、やりたいことや欲しいものは
とりあえず我慢。疲れて食事の支度をしたくなくても、お惣菜を買うのは気が引けたり。


そんな状態なので、ストレスを発散させるにもこれといった最強のものがなく、コーヒーを飲んだり、動画を見たり、お菓子を食べたりする程度では、狭い箱の中で伸びをしているようなものであった。
家族がリビングからそれぞれの部屋に行ってから、ようやく一人の時間になるため、そこからテレビを見たり動画をみたりしているとあっという間に深夜になり、夜更かし→朝寝、昼寝の繰り返し。気ままに過ごせていたはずなのに、この生活を心から楽しめてたわけではない。

家の中には、片づけないといけないものが山のようにあるので、断捨離を決行するには最適なタイミングでもあった。でも私にとってはものを捨てる、今まで置いてあったものを動かすなどの行動は、エネルギーが必要で、なんとなく気分がふさいでいたこの時期に、よしやるぞーっ!という気持ちになれるわけもなく、せっかくのチャンスだったのに断捨離はほぼ進まなかった。

時間があると、いろんなことを考えてしまう時間も増える。しかもほぼ引きこもりの昼夜逆転の生活では、前向きな発想より、ネガティブ思考に支配されて、今まで眠っていた記憶がむっくり目を覚ましてしまい、なんとなく折り合いがついていたと思っていたことにも向き合わざるを得なくなったりして結構つらかった。
ネットで悩み相談を探して話を聞いてもらったりしたことでかなり救われた。悩みながらも自分と向き合い、再び就活に向かうための気持ちの整理できたことは収穫だったといえる。

振り返ってみれば、仕事に行かなくてもよい専業主婦という生活は、私にとって、「身体的には楽だが、精神的には満たされるわけではない」ものだった。単純に働いていないということ以外に、やりたい仕事がまだあって、諦めきれないでいることがその理由であった。

再びの職探しや、今の仕事と出会うまでの話も書いていきたいと思う。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

ではまた。


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