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キャッシュレスの世界は人から会話を奪うのか

90歳を迎えた祖母が中国でキャッシュレス化が進んでいるというニュースを見て、「お店での会話がなくなるわねえ。昔は店員さんと世間話をするのが当たり前だったのにねえ」なんて話していた。

私は財布すら持たず、出来る限りの支払いをクレジットカードや電子マネーで済ませているキャッシュレス推進派なので、内心は『日本も早くそうなってほしい』と思いながらも寂しそうに話す祖母を見て、「そうだねえ」と相槌を打った。

巷ではキャッシュレス限定のレストランが登場して話題になっている。その一方で、マクドナルドはようやくクレジットカード決済に対応するらしい。

マックではすでに現金以外にも、Suicaなどの交通系電子マネーやiD、楽天Edy、WAON、nanacoなどで支払いができる。僕はiDをよく使うので「iD(アイディー)でお願いします」「Edy(エディ)ですね」「いや、iD(アイディー)です」と、店員との不毛なやり取りを日夜繰り返している。


そんなことを思いながら、マックに久しぶりに行ってバリューセットを頼んだ。そして、その注文で大変なことになった。


「サイドメニューはどうされますか?」
「ソースはバーベキューとマスタードどちらになさいますか?」
「アイスティーですね。レモンかミルクお選びいただけますが?」
「ガムシロップはお付けしますか?」
「おひとつでよろしいですか?」
「ドコモか楽天のポイントカードはお持ちですか?」

マシンガン打線かな?ってくらい怒涛の質問攻め。溺れそうになった。

「てりやきマックバーガーのセットサイドメニューはナゲットでソースはマスタード飲み物はミルクティーでガムシロップ一つくださいポイントカードは持ってないです」と、こちらから息継ぎなしで言えば問題なかったんでしょうけど、それにしても、である。

選択肢の多い最難関ルートを無意識で通った自分が憎い。おばあちゃん、しばらくは店員さんとの会話もなくならなそうだよ。安心して。

あ、支払いですか? iD(アイディー)でお願いします。

「Edy(エディー)ですね。かしこまりました」


まじでこれどうにかして




おわり

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