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【短編小説】ワンピ-ス


ワンピースの洋服が好きな社会人の女性がいた。

彼女は会社では一年中ワンピースしか着ないし、そのせいもあって会社では大人しい真面目な女子社員だと思われていた。

しかし会社から帰宅すると会社での反動か、彼女は酒を飲まないと家事がこなせなかった。

彼女は一人暮らしだったため、最低限の家事をしないと日常生活が送れなかったが、それにしても大量の飲酒のため彼女の体は本当は悲鳴をあげていた。

「私はこのままではだめになる。」

彼女はそう思い、無断欠勤と同時に会社にメールで「辞表届」を送り付け、禁酒生活に入った。

最初の二週間は地獄だったが、だんだん酒を飲まないでも日常生活が送れるようになった。

一か月後彼女は彼女の一番のお気に入りのピンクのワンピースを着て、近くの公園まで出かけた。

優しい日の光を浴びながら、「私は私らしく生きていこう。」彼女は生まれて初めてそう思い、ベンチに座り涙を流した。

(全393文字)

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