【短編小説】バ-テンダ-
男はバ-テンダ-をしていたから、いつもバ-の中から様々な客たちを見ていた。
その中で、中山という男の客が、いつも違う女の子たちをそのバ-に連れてきていた。
いつも違う女の子というより、彼女が次々に変わるから結果的にそうなるのである。
中山の嫌な所は、彼女との別れ話もそのバ-ですることであった。
中山はいつものように、その連れてきた彼女に別れ話を始めた。
いつもと様子が違うのはその彼女が今までの彼女たちと違って、泣いたりわめいたりしないで、全くの無表情であることである。
彼女は無表情の顔のまま、彼女の飲んでいたカクテルを中山の顔にぶっかけた。
「ふざけんな」彼女は中山にそう言って、そのまま店から出て行った。
1週間後の土曜日の夜に彼女はまたそのバ-に現れて、バ-テンダ-の男にこう言った。
「あなたのおススメのカクテルを作って下さい。」
バ-テンダ-の男は喜んで言った。
「モヒ-トはいかがですか?」
結論:モヒ-トのカクテル言葉は「心の渇きを癒して」なので、使い勝手が良いです。
(合計434文字)
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