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各ポジションごとに補強必要性を考えよう!

悲喜こもごものオフシーズンがやってまいりました!ということでポジションごとに簡単なまとめと補強の必要性を考えてみました。皆さんも読みながら妄想を膨らませましょう!(試合数などのデータは FOOTBALL LABから引用)

①GK(補強必要性…80%)

現陣容
一森(G大阪への移籍発表)・・・34試合
金山・・・8試合
椎名
イキョンテ(現在長期離脱中)

今シーズンも四人体制でやりくりしたキーパー陣。一森が34試合、金山が8試合と、この二人で公式戦の出場機会は分け合った。どちらもハイレベルなキーパーであったが、足元の技術という長所がチームスタイルと合致した一森が最終的にはレギュラーの立ち位置に収まった。しかし、その一森はG大阪への移籍が決定。例年キーパー陣は四人体制なので、必ず一人は補強すると考えられる。ただし、問題はどのくらいのレベル(スタメン級〜育成級)を獲るのか、という所である。可能性としては、

1.足元のある主力級GKを獲得し金山と競わせる

2.セカンドGK獲得

3.若手

の三つが考えられる。そして、この中で一番ありうる選択肢は2だと考える。その理由としてはまず、足元のあるキーパーは争奪戦になりやすい、というのがある。近頃は足元のあるキーパーは重用される(西川周作、パクイルギュなど)傾向にあり、一森のような選手はすぐ上位に狙われる。J2で繋ぎを志向する徳島の梶川も、横浜FMから正式オファーが来ているらしい。そのため、1の選択肢はなかなか難しい選択となる。また、現在キョンテは長期離脱中なので、セカンドGKとなれるくらいの実力を持ったキーパーを補強すると考えられる。

②CB(補強必要性…10%)

現陣容
後藤・・・3試合
濱田・・・16試合
増田・・・8試合
田中・・・36試合
ジョンウォン・・・35試合
阿部 

今シーズン最も怪我に泣かされたポジションといえる。そして、有馬監督が目指すものが一番表れているポジションでもある。ただし、直ちに補強する必要があるわけでもない。まず、この中で今季最も安定していたコンビは田中ー濱田だろう。この二人は安定した守備に加え、縦の楔のパスや運ぶドリブルなどで攻撃にも貢献できる。ただ、濱田は今季の三分の二ほど負傷離脱していたため、一番多かった組み合わせは田中ージョンウォンだった。ジョンウォンにとって今季は、飛躍の足掛かりとなったシーズンといえる。シーズンが進むにつれ、判断などに磨きがかかり、致命的ポカが減った。加えて、持ち味であるフィードでも存在感を示した(徳島戦のアシスト)。シーズン終盤に後藤が復帰したので、頭数はそろっている。以上の点から、誰かが移籍する場合を除けば補強の必要性はほぼないだろう。

③SB(補強必要性…100%)

現陣容
廣木・・・36試合
椋原・・・30試合
下口(夏から長野に半年レンタル)・・・8試合
増谷・・・14試合(夏に琉球からレンタル)
デューク

ぱっと見てわかるように、頭数がまず足りない。前半戦は喜山やジョンウォンが入ることもあった。そんな中で、シーズン途中の増谷の加入はとても大きかった。高い足元の技術を武器に、右SBで司令塔のようにふるまい、攻撃に落ち着きをもたらした。その一方で、左SBは安定しなかった。廣木は走力などは高いレベルだったが、一対一の守備や、たまに出るポカで絶対的なプレーヤーになることはできず。椋原も悪くはなかったが後半戦はなかなか出場機会をつかむことはできなかった。また、椋原に関しては、CBの練習をしているということもあり、有馬監督は来季田中と同じイメージのCBとして考えている可能性がある。以上の点からも、来季に向けてSB(とくに左)の補強は必須である。


*補足 琉球より左SBの徳元選手が完全移籍加入。精度の高い左足を武器とする、攻撃的SBで、夏には露一部、アルセナルからの関心も。詳しいことは、たくみ(@tksoccer_write)さんの記事にまとめられているのでぜひ。 

③ボランチ(補強必要性…90%)

現陣容
喜山・・・33試合(左SB含む)
上田・・・31試合
武田将・・・27試合
ヨンヒョン・・・1試合
西村(清水から育成レンタル)

チームの心臓である、喜山ー上田のコンビが務めることが多かったポジション。武田将もそこそこの出場機会を得ており、シーズン途中までは関戸もこのポジションで出場(22試合)。最低限の枚数はいる。ただし、いくつか課題がある。

1.喜山の控え不在

要は喜山以外の守備に重きを置くことができるボランチの不在である。今季喜山が離脱したときに代わりを務めたのは武田将だったが、彼はもともと司令塔タイプの選手であり、どちらかといえば上田に近い。そのため、守備の時我慢できずに前に出てしまって後ろにスペースを空けてしまうシーンが見られた。上田が攻撃に重きを置けるようにするためにも守備型のボランチの補強は必須だろう。

2.右利きの不在

周知のとおり、喜山、上田、武田将は左利きだ。そのため、左側にボールを置くことが多くなり、どうしても左サイドに攻撃が偏っていた。(仲間の存在も大きいが。)効果的に両サイドを使った攻めを実現するためにも、右利きでそこそこ経験のあるプレーヤーを陣容に加えたい。

3.縦への推進力

この課題の優先度は他二つに比べるとそんなに高くはない。しかし、仲間の移籍が濃厚といわれている現状、その穴を埋める解決策の一つとして提示したい。自分が今シーズンのファジを見て感じた課題の一つに、仲間のドリブルとロングボール以外で相手のゴール前まで侵入できたシーンが少ない、というものがある。詳しく言えば、DFラインでのビルドアップは安定したが、繋いだ後相手のペナルティエリアの前でボールを持つシーンが少なかった、ということ。繋いでも相手のゴール前まで運べなければ意味がないし、FW視点(僕FWやってるんです笑)からいえば、ロングボールがバンバン来るよりも中央からのパスのほうが自分の型にもっていきやすい(特に赤嶺のようなポストプレーヤー)。以上の点から、ペナ前まで運ぶことは)重要だといえる。しかし一方、喜山と上田はパサータイプなので、自分で運ぶよりはむしろ周りを使うのに特化している。つまり、サイドのプレーヤーが内側にポジションをとるようにする(関戸?)か、自力で押し込む推進力を持つボランチがいれば、選択肢を一気に増やすことができると個人的に考えている。

以上の三点から考えて、ボランチの補強は間違いなく必要だろう。個人的には、鹿児島のニウドにぜひ来てほしい。

④右アタッカー(補強必要性…100%)

現陣容
関戸・・・41試合(ボランチ含む)
久保田・・・25試合(鹿島からレンタル→退団)

シーズン途中までなかなか安定しなかったポジション。前半戦は久保田が務めたが、0ゴール2アシスト、さらに体力も足りていないようでフル出場も一回と、目に見える結果としては不十分だといえる。27節以降は最終節まで出場がなかった。後半戦はそこに関戸が入ったが、関戸も0ゴール2アシストと、本来の攻撃性能を存分に発揮できたわけではなかった。しかし、指標を使ってみると関戸が入ってかなり良化したことがわかる。(後述)

本題の補強の必要性だが、存分にあるといっていい。形が定まった後半戦は右サイドの増谷、関戸とボランチの上田、喜山の四枚で後方から組み立て、仲間の運ぶドリブルで押し上げる形をとっていた。これは仲間の運ぶドリブルあっての戦い方だ。その仲間の移籍が濃厚な今、この戦術で来季そのままくいくとは限らない。加えて、そもそも枚数が圧倒的に足りない。それらから鑑みても、タイプの違う右のアタッカーが一人は必要。より突破に重点を置いたドリブラーとか。復帰すれば齋藤をこちらにまわすのも一案。福岡を満了になった松田力もアリ?

*参考資料・関戸と久保田のデータ比較

・表記の指標ではすべて関戸のほうがいい数値であることがわかる。

詳しい数値の見方→FOOTBALL LABチャンスビルディングポイントとは

⑤左アタッカー(補強必要性…10%)

現陣容
仲間・・・40試合
武田拓・・・5試合
三村・・・15試合(SB含む)

今シーズン仲間が異彩を放ったポジション。そのため、ほかの二人はほとんど出場機会を得られなかった。しかし、仲間の柏への移籍が濃厚といわれている現状、来季このポジションに入る選手によってサッカーは大きく変わってくる。既存戦力で言えば、武田拓が入れば、今年と似た形になるといえる。逆に三村が入れば、もっと大外を使った攻めにシフトする可能性が考えられる。

さて、補強の必要性だが、左アタッカーについては個人的にはそこまで必要ではないと考える。というのも、既存戦力のレベルがそこそこ高いからだ。三村はファジで数年間レギュラーを張っているし、武田拓も出場した試合では印象に残るプレーを見せるようになっている。この点から、必ずしも補強が急務なわけではないと考える。ただし、そこまで選手層に余裕があるわけではないので、一人補強ができたら安心感はグッと増す。(*中央大学から野口の加入が決定済み、ただし長期離脱していたらしいのでお披露目までは時間がかかる可能性)

⑥FW(補強必要性…30%)

現陣容
イヨンジェ・・・42試合
赤嶺・・・22試合
中野・・・24試合(磐田から育成型レンタル→満了)
福元・・・18試合(手術)
齋藤・・・8試合(長期離脱中)
レオ・・・10試合
山本・・・10試合(夏に松本からレンタル)
ハディ
松木

ヨンジェの相棒探しに苦労したポジション。齋藤しかり、山本しかり、フィットしたところで負傷離脱、というパターンがあまりにも多かった。ヨンジェの引き留めはもちろんのこと、相棒の適任が誰なのかというのも考えていかないといけない。

補強の必要性だが、補強するなら、レンタルなどの放出が先になるだろう。頭数という面では一杯の状態だからだ。もしも補強するなら、

1.ポストストライカー

2.スピード裏抜け型

のどちらかになるが、個人的には1のほうではないかと考える。理由は簡単で、ヨンジェの負担を減らすためだ。終盤戦でゴールが止まったのは、自身の責任感で下がりながら受けようとする回数が増えてしまい、前を向いて自分の型に持ち込めるシーンが減ったのが理由だと考えている。ヨンジェの特徴が裏抜けであることは今季のファジのオフサイドの数が証明している。(一試合当たり2.9回でJ2一位)その回数を増やすためにも赤嶺のように(赤嶺のフル稼働はさすがに厳しい)ヨンジェに代わってタメを作れる選手は可能性として考えておくべきだろう。川又が帰ってきてくれると嬉しいけどね。


おまけ~来季一番の課題~

来季の課題は個に頼らない第3フェーズ(崩し)の構築だと思っている。その点で輝いた仲間だったが、裏を返せばチーム全体は固めた相手に詰まってしまっていたともいえる。仲間の移籍がほぼ確実である今、果たしてどういう手を用意していくのか、それとも新たな個が生まれるのか、そこがとても楽しみだ。



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