見出し画像

「失う」ことが目の当たりになったとき、私は。

今の彼氏と付き合って、約9か月になる。気が付けば1年が目前で驚きだ。
彼氏は「暇?会える?!」とぐいぐい来るタイプなので、そういえば、ほとんど私から「会いたい」と言ったことがないことに気が付いた。

* * *

9か月も経つとお互い嫌なところが見えてくる。
君の嫌いなところは、飲みに行くと8割終電を逃してネカフェに泊まっていること。毎月お金がカツカツなところ。時々、口だけなところがあるところ、とか。いろいろ。

きっと君からも私の嫌なところが見えているんだろう。
家でまったりしていると7割は寝落ちしているところ、体調が悪いと強がってしまって不機嫌になるところ、うまく君を頼れないところ、とか。きっと、いろいろ。

お互い喧嘩は苦手だから、不満があっても深く話し合ったことはない。指摘しあうことも少ない。デートも変わらずご飯と家でゴロゴロが定番。安定というか停滞というか。最近の私たちはそんな感じだ。

お互いなんとなくイライラしているときに、私のコロナ感染。
週に1回のデートはなくなった。

そんなこんなで、今、少しだけ君が遠く感じる。
LINEで、ここ最近絵文字が極端に減ったことも正直少し寂しい。

* * *

今の彼氏と結婚するつもりは、今のところない。
これは付き合って少し経ってから思い始めて、今でもあまり変わらない。

だけど、君となんとなく距離ができて「君は別れたいのかもしれない」と初めて感じたとき、少しだけ離れがたいと思ってしまった。

「別れたい」というには安定していて、「結婚しよう」というには非現実的で。いっそ君が私のことを嫌になっちゃえば、なんて考えたりもしていたのに。人間というのは本当に自分勝手で狡くて呆れてしまう。

* * *

近いうちに別れようと考えて何か月も経った。
それくらいに君の腕の中は心地が良くて。あと少しだけ、あと少しだけ、君の暖かさの隣で眠らせてほしい。
その間に、君は、私のことを嫌いになって。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?