見出し画像

「表現者は魂の一番美しい部分を差し出さなければならない」

「表現者は魂の一番美しい部分を差し出さなければならない」

これは声優養成所に通っていた時、とある講師に言われたこと。
当時の私は何もわかっていなくて「そんな覚悟、とうにできているよ。」と流していたように思う。(そしてそれができなかったから夢は破れたのだろう。)

* * *

最近は短歌にお熱だ。10月中に応募したい賞が2つあり、2週間ほどで新しく20首以上作った。11月にも応募したい賞があり、もっとたくさんの短歌を作らなければならない。いつも気分で作っていた私は締め切りに追われることがこんなにも辛いことだとは知らなかった。(30歳になっても知らないことはものすごくたくさんある。)

そして短歌を作るときに必要なのは「心の動き」。

私は恋の歌が好きだから、たくさんの恋を思い出している。
まだ終わったばかりの恋、少し前に終わった恋、もっともっと前に終わった恋。

3年前まで元カレが一人、セフレが一人、セックスの経験人数も3人だった私はこの3年でものすごい数の恋をしたし、ほどほどにいろんな人とのセックスも楽しんだ。

そんな数多くの経験を思い出すとき、私は、心が抉られる。

「あの時は楽しかった」「あの人は元気だろうか」「結局私は誰の1番にもなれないのだ」「向き合うことがどうしてこんなに怖いのか」「みんな当たり前に結婚しているのはなぜ?」「さむい」「さみしい」「どうして独りなのか」「あれは楽しかった」「阪神優勝おめでとう」「ここ一緒に行こうって言ってたな」「そういえば返事か来なかったな」「インスタあげてるかな」「今何してるかな」

なんて、本当に、些細な思い出が少しずつ心を刺す。
まだ柔らかいかさぶたを再度開いて、指で塩を擦り付けるかのように。
そんな風にして、私の思い出や経験を綺麗に時に泥臭く表現して、短歌にしていく。正直とっても苦しい。今までは溢れ出た想いを言葉にしていたけれど、それだけじゃ到底足りないから。

そんな作業をほぼ毎日している。そうするとタイトルにあった講師の言葉がふと降りてくる。「やっと、本当の意味で私の中の一番綺麗なものを差し出す覚悟ができたのかもしれない」と自分を鼓舞しながら頑張っている。
ひとつでも誰かに何かを届けられますようにと。

* * *

日々いろいろなことが脳内を駆け巡る。動いていないようで毎日が流れていく。今日は1年分コミックをためていたヒロアカを読んでボロ泣きした。週末はTinderで会った初対面の男に抱かれた。付き合ってもいないし、お酒で記憶も飛んでいるけれど、朝起きて抱き寄せられたぬくもりになぜだかすごく満足してしまった。昔のことをよく思い出す。低気圧と生理前で情緒が死にかけている。だけど好きなアーティストのアルバム発売が発表されたから頑張れる。

過去になった君たちは、私のことを不意に思い出したりするんだろうか。
それとももう一切思い出さないんだろうか。
言わないし、言えないけれど、会いたい人ばかりだ。なんせ私が好きになった人たちだ。素敵な人ばかりに決まっている。
ひどい振られ方をしたり、思わせぶりな態度をされたり、散々だった恋もしてきたけれど、やっぱり私は君たちに「ありがとう」を伝えたい。

ひとりひとりが関わってくれたおかげで、今の私が此処にいられる。

* * *

11月も中旬に差し掛かろうとしている。なんだかんだ週末の予定も1日は埋まってしまっている。急がねば、頑張らねばならない。
焦りすぎず、自分を信じて楽しくときにかしましく!

今日も、私は、君への恋を、愛を綴る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?