変わった人間とは

「変わった人間になりたい」
「他人とは違う特徴的な人間になりたい」
こういった欲望を持った人間は多数いることだろう。実際、私もその1人だった。
しかし、この欲望ははっきり言って間違いで、最終的に自分自身をあらぬ方向へと導いてしまう危険な欲望なのではないかと、私は最近思っている。

結論から述べさせていただくと、あなたは「変わろう」と思う必要はないし、「他人とは違った存在でありたい」と思う必要もない。
あなたという人間は他に存在せず、あなたと全く同じ思考を持った人間もいない。
つまり、わざわざそんなことを思わなくても、既に変わった存在なのだ。

とはいえ、このようなことは散々言われてきたことであるから、今更心には響かないと思う。
なので、私の実体験を交えながら私なりの解釈を述べていきたい。

私は昔から「他人とは違った存在でありたい」という思いがあった。それがなぜだかは分からないが、おそらくそうしないと自分の存在を認められなかったからなのだと思う。
しかし、私は今まで「違った存在でいよう」として行動したことがあっただろうか?そして、その行動が果たして私に利益をもたらしただろうか?
答えはNoだ。今回の大学進学においては、「違った存在でありたい」という欲望が強く出過ぎたが故に、都立大を蹴ってまでiUという変わった大学に入学してしまった。私は本当に後悔している。その歪んだ欲望が、私の本心を打ち消して、私の人生を狂わせてしまったのだ。

ここで、私は中高生時代を思い返した。
私は中学時代は野球が好きだからという理由で野球部に所属していたが、高校時代は単なる興味で茶道部に所属していた。
きっと周囲の人々は「変わっている」とこの経歴を見て思うだろう。しかし、当の本人にはそんな気はさらさらなく、ただ本心に従ってやりたいことをやっただけなのだ。
つまり何が言いたいか、自分のやりたいことをやっていれば、自然と他人からは変わった存在に映る、ということだ。

「変わった存在になりたい」という欲望自体、決して悪いとは思わない。しかし、変わった存在になることを第1の理由にして行動することはあまりにもリスキーだと思う。
あくまで変わった存在になるのは副次的な効果であり、第1に優先すべきは自分の本心だ。
自分のやりたいこと、自分が当たり前・普通だと思っていること、それらを日々こなしていれば、あなたは自然と変わった存在になれると私は考える。

あなたにとって本当に重要なことは、他人とは明らかに違う、変わった人間になることなのだろうか。そういう欲望を抱いておきながら、本心では他人と同じが良いと思っていたりしないか。
もしそう思っているのなら、自分なりに他人に合わせてみても良いと思う。きっとそれでもあなたが変わった存在であることに変わりはないのだから。

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