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【修行旅】星の巡礼道カミーノ ポルトガルの道②

9月10日 ポルト〜ヴァイラン 25km

起きたら朝の6時。
少し早かったが、カミーノに出発する前に観光することにした。ポルトは街全体が「ポルト歴史地区」として、世界遺産に登録されている。

7時にホステルを出て、有名なドン・ルイス1世橋に行ってみた。

少し角度が悪くて見えなかったが、橋まで行くと、トラムも走る大きな橋と開けた川沿いの街が広がっていた。

朝日でオレンジ色の屋根で包まれた街がどんどん明るくなっていく様がとてもきれいだった。
アムステルダムのようなカラフルな美しさも良かったけれど、こういう統一された美しさもまたいいな、と思った。

ポルトガルはアズレージョと呼ばれる青く焼かれたタイルがとても有名で、街の到るところに散りばめられている。

カミーノを歩くには大聖堂でクレデンシャルと呼ばれる巡礼証明書を手に入れる必要がある。大体2〜3€で買える。(ちなみに日本でも買える)

9:00に大聖堂が開くのを待って、クレデンシャルを貰ったら、ついにカミーノの始まりである。

これからはこの黄色い矢印が僕のコンパスになる。巡礼道のあちこちに、この黄色い矢印があり、サンティアゴに導いてくれる。
ちなみに青い矢印は逆走した先にあるファティマという場所への矢印だ。

何を吸収でき、何を考えるかわからない。どんな経験をするか全くわからない。でも、僕のモットーの1つは「やらない後悔より、やる後悔」。せっかくなら一つでも多く吸収したいし、とりあえず歩いてみて、何も得られなければ、それはその時である。

スタートして10分。ザックにくくり付けていた上着がないことに気づいた。なんとカミーノ始まってからものの数分で、防寒用のレインウェアでもあったコロンビアちゃんが消えてしまったのだ。幸先悪い…。
探していたら11時になってしまったので、諦めることにして本格的に歩き出した。

街を出てしばらく歩くと、完全に田舎に入ってきた。矢印があるので迷わないし、この矢印を見る度についに自分のカミーノが始まったことを実感する。

歩きながらふと、自分はなぜ歩くのが好きなのかを考えてみた。
思い返してみれば高校生の頃から東京の街なかをよく歩くことが多かった。大学時代は頻繁に、山手線一周や渋谷から吉祥寺などを歩いたりしていた。
なぜか。
多分、自分にとって未知のモノを探すことが好きなんだと思った。自分の考え、町並み、すれ違う人、天気など、車や自転車では見逃してしまいそうな、自分にとってあらゆる未知なモノを見つけ、吸収できるチャンスがあるからだ。
それが自分にしか見えてないものだったら、なおさらだ。

麦畑やぶどう畑、野良犬、石畳に囲まれて歩きながら、そんなことを考えた。

途中で、ポルトガルの大西洋側で有名なフランセジーニャを食べた。
食パンでハンバーグやハムを挟み、目玉焼きを乗せてオーロラソースのようなものをかけた物だが、味が濃すぎて、少し残してしまった。笑
美味しかったけど。笑

畑の下でぶどうが落ちてると、甘い匂いがする。

ポルトガルの人はやさしい。僕が巡礼者だとわかっているからかもしれないし、田舎だからかもしれないけど、道で会う人はほとんどが「Buen Camino!!」と挨拶してくれる。
これも日本との文化の違いかな、と思った。個人主義というけど、意外とヨーロッパは親密な人が多い気がする。ビズするような文化だし。

そんなことを考えてると、その日泊まる宿に着いた。ヴァイランという田舎町だ。

カミーノでは、アルベルゲという巡礼者専用の宿に泊まる。私営のアルベルゲもあるし、教会がやっている寄付制のアルベルゲもある。
ちなみにここは寄付制のアルベルゲだ。

その日の夕飯は近くのレストランで、同じ部屋に泊まった台湾人と食べた。精神医学を学んでおり、病院で働いていたが、今は語学留学でアイルランドのダブリンにいるらしい。
自分が何をすべきかわからなくなって歩いていると言っていた。

やっぱりみんな答えがあるかもわからない中で、でも歩けば何かが見つかるかもしれないと思って、歩きに来ているんだなあと思った。


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