振りかえらずに歩いて行った そのとき僕は泣きそうになってしまったよ

title:「エイプリル」フジファブリック

次外に出るときには春が終わっているのかな。
今年の春も忘れられないね。

けれど。
私は今年お前をそんなに感じてはいないよ。

私は春の雑草が大好きで散歩しながらお花を探すのが大好きだ。
ほとけのざ、なずな、おおいぬのふぐり、からすのえんどう、はこべら、しろつめくさ、ぜんぶ、きれいだ。


ライブハウスから帰るとき。
ドリンクチケットと交換した缶ビールを飲みきれず、持ち歩きながら気分良く帰ったことを思い出す。
春は少し暖かくてでも寒くて、だから人肌を感じるのに丁度良かった。
夜風に肌を撫でられたい。
綺麗すぎる桜に悪態をつきたい。


たしかに存在したのに、その存在を感じることができないまま失う。
いつもそこに当たり前のようにいたことが嘘のようだ。

人間関係みたいだ。
私はいつも大切な人がいなくなったら世界について考える。
数年前までそんな状況では私は生きていられないのだろうと思っていたが、今は同じ時代に生きるたことを感謝している。

感謝はしているけれど、当たり前じゃないこともわかったけれど、やはり怖くて仕方がないよ。


春。きっと冬の頃からあなたは暖かくなる準備をしていた。
春。きっと夏が来たらみんなあなたを恋しがるでしょう。
春。秋が来たら誰もあなたのことが思い出さなくなるのでしょうか。

春。私は今年夏が来て、それからようやく春の大切さを感じるのだろうか。

春。私はこれから死ぬまで何度も今年の春を思い出すよ。

私のもとに訪れてくれてありがとう。


数年前の春。
雨の日の桜を傘の内側から撮りました。
いつの日か桜を当たり前のように見ていた日々を懐かしむ時がくるのだろうか。

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