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ラガー箚記(31)リーグワンD1 第6節レビュー

今節から交流戦。僕の注目は横浜です。少し戦力が落ちてきている中で、向こう側のカンファレンスが強者揃いに見えますので、どこまで踏ん張れるか。場合によっては、三重以外全敗なんてことも。。クロスボーダーマッチもありますし。。

2週に分けての取り組みで、1週あいた方の4試合は激しかったです。やっぱり調整というのは大事ですね。。


横浜 27ー31 神戸 

横浜は神戸をしっかり研究し、完璧な前半。神戸に全くラグビーをさせなかった。そのように見えたけれど、結局、それだけの前半に10点差しかつけられなかったのが、横浜としては敗因に。また、今日は前半の後半から、スクラムが神戸が優勢だった。そこも、神戸の戦意を挫けなかった。

横浜は、一度追いつかれた後の2つのトライに底力を感じたけれど、最後は、役者と自力の違いが出たように見える。今年は、特に、得点力が明らかに落ちているように見える。今日のような展開なら、去年はもっと楽にトライを重ねていたように思う。少しこの先も苦労するのでは。。この後、東芝、クボタ、サントリー、静岡、と続くので。。

神戸は、勝ちきれない、つまらないプレーで試合を失い続けてきたけれど、横浜を越えられたのは大きいのでは。試合中もそうだけれど、役者は上位にも全く引けを取らないので、勢いに乗るととても怖い存在。埼玉あたりとの試合が楽しみ。

結局、横浜はメンバーが替わり始めてから戦略の遂行力が落ちて、逆に神戸は、交代メンバーが入るとさらに総合力が上がっていった感じ。そして、今日はとにかくガットランド。6点差に迫るコンバージョンは素晴らしかった。


リコー 17ー18 クボタ

リコーが勝ち試合を最後の10秒で失った。最後の武井と、そのフォローワーのプレーは、これが王者と中位のチームの差なのか、、とも感じるところ。内容的には、リコーの勝ちゲーム。ペナルティをしなければ、規律を守れば、ここまで強いことが証明された試合。

勝てば今日はルーカスがMOMだったでしょう。ブレイカーとして、キッカーとして、そしてディフェンダーとして。やっぱりSOが似合うと思うのですが。ルーカスは。

クボタは勝つには勝ちましたが、FWの前進を防がれるとなかなか得点が厳しいことが改めて浮き彫りに。怪我人の問題もあるけれど、チームとしての得点のデザインの変更を迫られているのでは。今後もしばらくは苦戦が続きそうに見えます。

久々のSOでの出場の岸岡、キックもボールも捌きも良かったのではないでしょうか!特に、最後逆転され後、猛ダッシュで一番にハーフウエーまで息セットしたこと。そして、その後のキック。勝つことを知っているという感じ。今後も、フルタイムは難しくとも、十分出番があるのでは。


相模原 38ー40 サントリー

寝ぼけていたサントリーを一気に前半で突き放し、そこからサントリーがしっかりひっくり返した後の、67分のスクラム。この1回だけ相模原が勝った。そこからの逆転劇。そして最後の攻防。ラグビーの魅力がたくさん詰まった試合でした。

サントリーは、まだまだバックスのアタックは未完成というか、デザインされたアタックは出ていない印象で、なんとかFWの自力で得点を重ねているというところ。SO高本、というチョイスが、正直まだラインを活かしきれていないように見える。

相模原はスクラムですね。スクラムが互角ならば、今日は勝っていたでしょう。スクラムに厚みが増せば、さらに上位にやってくるのでは。

最後の攻防は熱かった・・・ゴールラインを背にした時、そのゴールラインが味方にできるチームは強いですね・・相模原は、そういう魂を持っていることがよくわかるディフェンスでした。素晴らしかった。


トヨタ 12ー28 東芝

トヨタが前半から強烈なディフェンスを東芝に見舞い続け、東芝がその圧に屈してミスを連発する展開。ただ、後半に入ると、そのディフェンスが規律を失い、反則を重ねてしまいモーメントを失った。東芝が辛抱強く得点を重ね、勝機を手繰り寄せた。

トヨタはハイプレッシャーをかけ相手を翻弄した前半に、最低でもリードはしなければならなかった。その点では、苦労をしたとはいえ、攻め続けた、テリトリーよりもポゼッションアタックをし続けた東芝の前半は、彼らの自信の表れに見える。やり続けていけば、どこかで崩せる、と。

トヨタも、アーロン・スミスが入って、明らかにアタックのテンポは良くなってトライの匂いがするのだけど、全体の流れは変わらず。60分以降に、東芝の役者、フリゼル、モウンガが試合を決めるトライを演出して、地力の違いを見せた感じ。

東芝は自分たちの戦い方に自信を深めているように見える。今日はアタックのミスが多かったけれども、そこから崩れないようになっている。(福田にはやられけれど)トヨタを物差しに見れば、埼玉とも互角の内容では。


静岡 50ー12 近鉄

静岡の展開力に目を見張らせられた試合。家村を軸に、強力なセンター陣に、サム・グリーン、山口、ツイタマの快速バックスリー。これが今日は見事に連動してトライを量産した。今までの静岡とはまるで違って、ゴリゴリ押し込んでのトライというのが全くなかった。

今の展開力、決め手が上位陣にそのまま通用するとも思えないけれど、それにしても、元来の強力なセットピースとモールを持つFWに、BKに決め手が加われば、去年までとはまるで違ったチームになっていきそう。横浜あたりとはかなりいい勝負になるのでは。

近鉄は前半は健闘していたのですが、ゲニアの退場あたりで集中を切らしてしまいました。また、全体としてペナルティが14ですから(静岡は6)、アタックでもディフェンスでも、いいプレーをペナルティで潰してしまっている印象がある。

静岡はクワッガなしでも変わらない試合が、チーム全体でしっかりできるのが素晴らしいです。(去年、埼玉に勝った時も、クワッガはいなかったですから。。)でも、放送中にポロッと解説の方が「全治5ヶ月」と言っていましたので、今季はクワッガなし、ということになりそうですね。。



埼玉 70ー12 三重

ホンダの展開志向のアタックを、埼玉がしっかり防ぎ切り返す。要所ではFW周りできちんと取り切る。埼玉の方が役者が上でした、という試合でしたが、ホンダの勇気のあるポゼッションアタックは、D1で継続していくことで、力をつけていくのでは。

埼玉はFW1列を3本目を起用して行きましたがしっかり試合を作れていました。どんどん選手層が深まっていく印象があります。キャプテンはハアンガナというのも先を見据えた起用にも見えました。

ホンダのバンクス。今日は彼の奮闘が目立ちました。長いキックに、小さくとも必ずゲインするラン。どれだけ出てくるの?というくらい画面に出てきました。彼と、カイポウリ、二人の復帰がチームを元気づけているように思います。


ここから、昨年の上位4チーム以外は約1ヶ月の調整期間に。アーリーエントリーメンバーがチームに溶け込むにはいい期間になりそうで、3月からは早いところでは、アーリーエントリーのメンバーが出てくるのでは。

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