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ラガー箚記(28)リーグワンD1 第3節レビュー

第3節は、東芝ー神戸、静岡ークボタが痺れる試合でした。というか、ディビジョン1の方が、ちょっと強力な布陣になっていて、各チームマネジメントが大変そう。。

東芝が神戸を退けたことで、一気に前半戦のキーチームになりそうですね!


神戸 39ー46 ノエスタ

神戸は素晴らしい試合をしたと思います。アタックは完全に東芝を上回っていた。しかし、正直、つまらない2トライ献上が結果的には大き過ぎた。東芝は、少ないチャンスをしっかり生かし、粘って粘って得点さを守り切った。お互いのアタックのレベルが高くて、あっという間の80分。

双方で11トライ。80分のうち、7分に1本はトライがあった勘定になる。これは、一方的な試合展開でないならば、見ている方が、本当にファンタスティック。興奮する試合だったと思う。しかも、ざるディフェンスだったわけではなくて、お互いのアタックのレベルが高い。

東芝は、この3連戦は、去年ならば3連敗もあったはず。それを、いずれも僅差で3連勝。モウンガとフリゼルに触発され、真野、佐々木、桑山など、新しい矢が生まれ、さらに、ディアンズ、ピアス、リーチ、タマニバル、ナイカブラがいる。ディフェンスはなかなかしんどいことになりそう。

東芝は、選手層がどうか。埼玉が1本目を2つ作れるメンバーであるのに対して、東芝は怪我人が出れば厳しいように見える。神戸は、東芝よりも選手層が厚い。ちゃんと熟せば、2本同じレベルを作れる。後半に向けて、その辺りがどうかな、と。

何にしても、クリスマスイブに、素敵な試合でした。見ていた方は、大いに楽しめたのでは。


クボタ 19−23 静岡

クボタが反則しすぎ、そして、静岡がスクラム強過ぎ、というなかで、クボタが最後、底力を見せてうっちゃったかと思わせ、クワッガのジャッカルから、最後は20フェイズ攻撃して、まさかの家村のサヨナラトライ。感動。今日の家村は、攻守に素晴らしかった。

静岡の勝因は、もちろんスクラム。クボタをこんなにスクラムを圧倒するチームはあっただろうか?(多分ない)ただ、静岡は、それを得点に繋げられず、最後、一気にクボタにスコアされて、またか・・・という流れ。

クボタは、フォーリー不在が響いた結果に。ただ、ディフェンスは流石だし、アタックも機会さえあればしっかり取れる。今日は、反則とスクラム。こんなに反則して、スクラムが完敗では、30点差つけられてもおかしくない。

静岡は、渋いメンバー構成ですが、家村ータヒトゥワーピウタウのラインがとても機能していて、ランナー二人が生き生きしている。そして、FWはスクラムを中心に、自信を深めている。あとは、スコアマネジメントをもっと上手にすれば、上位を十分に目指せるはず!



トヨタ 54ー40 相模原

相模原の試合にしては珍しく打ち合い。今日は、アーロン・スミス、B・バレットのゲームメイクに、完璧なコントロールを見せたと思う。トヨタの今までにない、軽妙なトライが多かった。相模原も、トヨタから6トライ取れるとは。アタックは確実に強化されている。

トヨタは、とにかく、B・バレットのキックが、多彩で、その1つ1つが有効だった。風上のマネジメント、風下の際の使い方。そして、トライにつながるパス回し、キックパス。いずれも完璧。彼が、チームにトライをもたらしたと言っていいと思う。

ただ、トヨタは、最後の最後で失ったトライで、勝ち点1を失ったのは、最後に大きく響くかも。上位を争う、ベスト4を争う時に、8トライもしながら、勝ち点5を取れなかったこの試合は、もしかしたら、大きな禍根を残すかも。

相模原は、バレットにかき回され過ぎ。特に、キッキングゲームや、キックによる攻撃に対して、適切な対処ができていないことが、本来のディフェンス力を活かせなかった。あとは、スクラム。ここをなんとかしないと、ここ、というところで力負けするし、ペナルティでモメンタムを失う。



埼玉 44−17 リコー

埼玉が効果的に得点を重ねた印象。テリトリーもポゼッションもリコーは決して負けていないのだけど、埼玉のアタックはスコアになり、リコーのそれは、なかなかトライにならない。そして、後半が深まると、選手層の差が出てくる。

埼玉は、決して磐石の戦いという印象ではないのだけれど(スクラムも、ラインアウトも決して安定はしていなかった)、トライを取るのが上手。決して今日は、リコーを圧倒してはいない。接点も、そんなに差はなかったように見えます。

リコーの2つのトライは、いずれもルーカスとヴァカヤリアのランで決めたトライ。今日は、リコーの14番の西川も素晴らしいキレだった。もっとバックスで自由にアタックした方が得点になるのかな、、などとも。


ホンダ 16−34 サントリー

サントリーは、テリトリーマネジメントとF Wの得点力でしっかり者にしたけれども、ポゼッションアタックは相変わらず迫力なく、崩し切って取れたトライはほとんどなし。メンバーも少し、ランナーの強さが不足気味で、物足りない試合。

ホンダは十分にアタックは戦えていた。特に、後半、1番に平野が入ってから、なんだかチームが元気になったように見え、接点で負けないし、セットプレーも互角だし、何ならアタックはしぶとくしぶとくやり続けて、サントリーよりもずっと魅力的。確実に力をつけている印象。

サントリーは、局面を打開するランナーが、ちょっと不足。特に、FWの三列とバックス。松島もコルビも、イマイチフィットしていないように見えるし、センター陣はちょっと突破力が物足りない印象で、攻めていても、強烈なブレイク、というようなものがあまり見えない。ありていに言えば、面白くない。。…

サントリーは、次は神戸と。神戸は、見る限り東芝よりもアタックは上だった。(ディフェンスや細かいプレーが雑でしたが)ここは正念場になるのでは。というか、こちらのカテゴリーの方にかなり強烈なチームが偏っているような。。


横浜 66ー26 近鉄

近鉄が善戦も、モールで横浜に蹴散らされてしまった。特に、後半、1トライ差に追いつき、しかも横浜が一人少ない、というシチュエーションで、逆に2つモールでトライを取られてしまい、一気に試合を決められてしまった。

近鉄は横浜から4つトライをとっているし、その内容もいい。ディフェンスも中盤までは十分健闘していた。ただ、モールへの対応は終始やられ続けてしまっていてこの辺りの修正ができなかった。試合が決してからは、無理な回しからイージーなトライも献上してしまった。

それでも、近鉄は去年までとは違っている。去年は、横浜に対して、なすすべがない敗戦だった。今年は、見せ場を十分に作れている。この状態をキープしたまま、クーパーの復活を待ちたいところ。


3節終えて、3連勝は埼玉と東芝。前年覇者のクボタが2敗。サントリー、横浜も、まだもう一息というところもあり、逆に神戸、トヨタ、それに静岡も侮れない力を見せている。特にカンファレンスAの三重以外の5チームはかなり力が拮抗しているように見えるので、埼玉も、こちらのカンファフェンスとの交流戦がポイントになるのでは。


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