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熱力学

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自由エネルギー極小の原理からのアプローチ
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記事一覧

【熱力学7】不可逆現象のエネルギー論【応答関数・複素感受率】

ここまでの熱力学によれば,状態は自由エネルギーまたはエントロピーによって序列がつけられる…

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【熱力学6】熱力学とルジャンドル変換【美しい熱力学】

熱力学は非常に美しい理論を成しています.温度と外部変数の組の関数で表された自由エネルギー…

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【物理数学】ポテンシャル【存在条件やマクスウェルの関係式など】

ポテンシャルの数学的定義と,ポテンシャルの存在を判定できる定理を解説します.ただし,数学…

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【熱力学4S】自由エネルギーの凸性と熱力学的な安定性

4節「つり合いの条件」の補足記事になります. 要請3では,自由エネルギーの示量性と自由エ…

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熱力学の教科書と私のノートの位置づけ【熱力学のさまざまな流儀】

前回の記事で,エントロピー増大則を導くという,ひとつの大きな目標を達成したので,ここで一…

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【熱力学5】エントロピー【熱力学の核心】

これまでは,温度が一定の環境の下での操作しか考えてきませんでした.そのため,異なる温度で…

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【熱力学4】一般化された力【つり合いの条件】

状態空間上のある一点 とそこからすこしだけずれた点 を比較しましょう.これらの自由エネルギーの差を と置きます. 自由エネルギーの解析的性質二つの状態間の自由エネルギー差は,状態をずらすのに必要になる最小の仕事ですが,それは準静的に操作をしたときの仕事であることを前回示しました.準静的な操作は,常に系を平衡に保った操作ですから,準静的な操作で移りあう状態間は滑らかに繋がっていることが期待されます.というわけで,「自由エネルギーは外部変数について連続,かつ(少なくとも片

【熱力学3】自由エネルギー減少則【不可逆過程】

前回,「状態の変化に必要な仕事は,操作の仕方によって異なる」と言いました.直感的には,素…

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【熱力学2】自由エネルギー【熱力学におけるポテンシャル】

温度と外部変数だけではわからないこと温度と外部変数で状態を指定したとします.これを次のよ…

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【熱力学1】状態の指定,温度とは何か【エネルギーと温度】

物理学では,私たちが考えようとする対象をこの世界から適宜切り取って,「系」と呼びます.物…

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序: 熱力学の目標

冷たいビールのほうが嬉しいものですが,冷たいビールも早く飲まないとぬるくなりますね.熱い…

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