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防水スプレー何のため?① 〜防水と撥水、フッ素とシリコン、使い方と大事なこと〜

気候変動のせいなのかここ数年、突然の雨みたいなことが多くなってきてます。

今回は把握しておくと洋服、靴、服飾雑貨周りに安心で上手に使えるようになる「防水スプレー使いのポイント」をザクっとまとめておきます。

まず、

1、撥水と防水の違い

普段から「防水スプレー」という言葉をみんな使っていて、「防水スプレー」という名前の商品もたくさんあります。が、そういったもののより正しい名称は「撥水スプレー」です。

撥水 水を弾く(染み込まない)
防水 水を通さない(例え表面上染み込んでも内側に浸水しない)

言葉の定義的な問題ですが、スプレータイプで普通に売ってるものはほぼ全て「撥水スプレー」です。

“「防水」はホントはちょっと意味が違うよ“ということをわかっとけば大丈夫です。

「撥水」とは“水が染み込めなくてコロコロ滑って落ちる“ような状態のことです。

これだけ聞くと“防水“より“撥水“の方がなんか良さそうな気がしますが、残念ながらそういう訳ではありません。

特に「撥水スプレー」は自分たちで手軽にできるようなものなので、やはり一長一短あります。

例えば一番の欠点は『持続性』と『強度』がないこと。
(効果は長続きしない、強い雨などにも弱い、、)

特徴や長所・短所を知った上で効果的に上手に使ことが大事です。

2、防水スプレーの成分はほぼ「フッ素樹脂系」と「シリコン樹脂系」にわかれる


大きくわけて、防水スプレーにはシリコン樹脂系撥水剤を使用する方法と、フッ素樹脂撥水剤を使用する方法の二種類があります。

普通に買えるものはほぼこのどちらかです。

どちらも「撥水スプレー」ですが、細かい理屈は置いておいてそれぞれの特性を比較すると

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といった感じです。
シリコン樹脂は“通気性が悪い“ので、レザー製品や繊維製品、また防水透湿素材(GORE TEX)などには向かないと言われてます。


なので私たちが扱うものはほぼほぼフッ素樹脂系の「防水スプレー」です。
(モブレイの『プロテクターアルファ』もジェイソンマークの『リペル』もフッ素系の「撥水スプレー」です。)

フッ素樹脂系の撥水剤は水だけでなく、“油汚れも弾く“ことができるのもメリットです。(シリコンは油は弱い)

(ちなみにシリコンは通気性の必要ないガラスとかにはむいていて、フッ素よりも効果的です。あと化粧品によく使われて、ハリがでて、ツルッ、サラッとするのはシリコンのおかげだそうです。)

詳しく仕組みを知りたい方はこちらどうぞ


3、防水スプレー使い方

では簡単に使い方です。

《防水スプレー使い方:靴の場合》

1、成分表示、注意書き、使用方法など確認(基本的に従う)

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2、換気のいい場所で下にいらない紙など敷く 

スプレーは結構飛散します。新聞広げたくらいの大きさが安心。

3、靴が乾燥してる状態か確認。ホコリ、汚れは落とす。

ブラシがけ等で埃、汚れ落とす、丁寧にやるならヒモもはずす(スニーカーの洗浄やレザーシューズの通常のシューケアは先にやってOKだが、その後の乾燥が必要)

4、履き口を塞いで内部にミストがかからないようにする

内部に撥水効果がでて、汗の吸収が悪くなります。

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(詰め物をしてスプレーが内側にかからないように)

5、適度な距離を離してミスト状に満遍なく降りかかるように噴射。軽く表面が濡れてるくらいが目安

キャンバススニーカーでやってみます。

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(向かって右だけスプレーしてます。かけずぎ注意!これはちょっとかけ過ぎましたが表面がしっとりするくらいかけてOK。少しかけすぎても拭き取らず、自然乾燥させる方が良い)

スニーカーだとわかり辛いので、わかりよいヌメのレザーでもやってみます。

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 (これがスプレー前)

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 (スプレー後。全体的にうっすら濡れてるくらい。ちょっとかけ過ぎたかもですがこのくらいなら自然乾燥をまちます)


6、必要な時間乾燥(陰干し)

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片足のみスプレーのまま乾燥。無事もとに戻りました。

7、必要に応じて2度目スプレー、で、また乾燥。

おいスプレーが実は効果的だそうです。

8、完成 
注1:細かい使用方法(噴射距離、量とか乾燥時間)はそれぞれの注意書きに従う。
注2:吸い込んで体にいいものではない。換気が頼りない場合、マスクするとか工夫を。連続の使用などは避ける。
注3:ガス系のスプレーは火器注意。廃棄の際は使いきる。


実は防水スプレーの使用時にすごく大事なことは

『スプレーする時、対象物が乾燥状態にあること』

『スプレー後も十分に乾燥させること』

すでに濡れてる状態のものにスプレーしても(フッ素がちゃんと付着しなかったり、シミなどの原因に)
スプレーした直後も(乾燥してはじめてフッ素分子が安定するので)十分な効果が期待できません。

<まとめ>

・防水と撥水は違う
撥水 水を弾く(染み込まない)
防水 水を通さない(例え表面上染み込んでも内側に浸水しない)

・普通に売ってる防水スプレーは正しくは「撥水スプレー」

・「撥水スプレー」はフッ素樹脂系のものとシリコン樹脂系のものがあるが服飾雑貨、靴周りはフッ素樹脂系の方が良い(シリコン樹脂系は通気性がないので)


次回に続きます。

参考に防水スプレーの使い方動画です。こちらも超人気商品です。


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