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靴のサイズ、足のサイズと捨て寸問題②捨て寸よりも大事な場所は? (靴のフィッティングについて)

前回、「靴の捨て寸はどのくらい必要か?」を色々調べてみると

①一番スタンダードな、1.0〜1.5cm必要

②ハンドメイド時代から伝わる成人最小(22cmくらいの足)で2.5cm必要、足の大きさに応じて同比率の長さが必要

③足の実寸の10%分の長さ必要(26cmの足なら2.6cm)

④足をキチッとホールドできてれば捨て寸そんなにいらない。0.5〜1.0cmくらいでもいい

“①〜④みたいな色んな考え方が見つかり、ますます何が正しいのかわからなくなる“というところで終わりました。

続きの前にちょっと復習です。

『足入れサイズ表記』と『靴型サイズ表記』について

❶足入れサイズ表記 

日本国内生産の靴(JIS規格はこれベース):25cmと書いてあれば25cmの人が履くようにつくられてる靴の表記
25.0cmの人が履いたらちょうど良いくらいの大きさにつくってくれてる。
つまり捨て寸を踏まえた大きさになってます。

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アシックスのローファー(足入れサイズ表記)   

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サイズ 足長25.0cm 足囲 EE  

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カップインソール実寸 27.5cm

このアシックスのローファーに関しては実寸25.0cmの人が履いたら、
約2.5cmの捨て寸(ゆとり)ができるように設定されてます。


一方で

❷靴型サイズ表記 

欧米中心に日本以外の国全般:その靴の靴型(木型)のサイズを表記している、つまり靴の内寸のサイズを表記している。
何cmの足の人が履くのかしらないけど、この靴の大きさはこれという表記

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 ニューバランス 990  v e r 5  (おそらく靴型サイズ表記)

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 サイズ  US 8 1/2   JPN 26.5cm  

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カップインソール実寸  約27.0〜cm(かかとに傾斜があり曖昧になります)

靴型サイズ表記なので捨て寸設定分かりませんが、実寸25.0〜26.0cmくらいの人が履くケースが多いとすると捨て寸は1.0〜2.0cmくらい

というように国内だと❶、❷の2通りのサイズ表記方法が存在します。
そこ注意しなければいけません。

で、それを踏まえまして、この❶、❷両方、実は私のサイズです。
前後サイズと履き比べても
❶ローファー25.0cm
❷NB990 US8 1/2 のJP 26.5cm(ソックス:スニーカー用の厚地前提)           
がしっくりきます。
 

私の実寸は下の表の感じです。(計測器とZOZO MATで3回計測)

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          (ZOZO MAT 2回目計測のデータ)

左右差、計測時の状態、時間帯、など考慮して私の足長はだいたい25.0〜25.5cmという感じです。
ということは
❶のローファーの捨て寸は2.0〜2.5cmくらい
❷のNB990の捨て寸は1.5〜2.0cmくらい

まず❶と❷でも捨て寸の差がすでに0.5cmほどあります。

そして前回調べた(上記もしてある)「捨て寸のいろんな考え方」と比較しても

①「一番スタンんダードな1.0〜1.5cm必要」より少し大きい
②「昔からの2.5cm〜必要より」少し小さい 
③「足長の10%必要」より少し小さい
④「0.5〜1.0cmでいい」とは全然違う

と、①〜④のどの説にも捨て寸の長さがあてはまらなくなってしまってます。

でも、二足とも日常的に履くには快適なサイズです。

どういうことでしょう?

結局、シンプルに

「捨て寸は靴の形状、デザイン次第で変わっちゃう」
「人の足の形状は人それぞれ(指の長さだって違う)」

ということであり、『捨て寸はこの長さ必要!』と既成靴で決めてしまうのはかなり無理があるということだと思われます。(不可能に近い)

ではどうすればいいのか?
実を言うと足長のフィッティングには捨て寸よりも優先されるべきことがあります。

「かかと」と「ボールジョイントの位置」です。

ボールジョイントというのは指の付け根(足の一番広くなってるところ)です。

足幅も足囲もここをはかります。

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ここです。
自分の足のこの位置(指の付け根関節)と靴のこの位置(一番広くなってる場所)が一致してるということがまず靴のフィッティングで優先して確認するべきことです。

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    どの辺でしょうか?わかり辛い時は裏(ソール)をみます。

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   だいぶわかりやすくなりました。

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メージャーをあててるこの辺でしょう。


足と靴のこの位置があっていて、その上で、

「つま先にどのくらいゆとりがあるか」が『捨て寸』です。

さらに前提として大事なことは「足のかかと」を「靴のかかと」にあわせてることです。
かかとを靴のヒールカップにあわせた状態でボールジョイントの位置は確認してください。

「つま先トントン」ではなく「かかとトントン」して合わせた方がいいです。

実際の接客時はあんまり「かかとトントン」はできませんが、(キズが心配、パンプスとかのヒールではできない)

「足をかかとにピッタリの一番後ろのポジションに持ってきてもらって、(レースアップであればその状態で靴紐をしめて結んでもらって、)ボールジョイントの位置が合ってるか」

確認してください。

靴の足長フィッテイング時に重要なサイズは足の全長サイズ(つまり表記サイズ)よりも

『かかとからボールジョイントの距離(の位置)』

です。で、捨て寸はその距離(位置)があっていた結果、

『つま先にどのくらいの余裕があるか?』

です。

次回に続きます。

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