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めちゃくちゃシンプルなスポーツサンダルのつくりとルーツ

シューズの素材②で登場のチャコ、Z2、私物です。(10年前くらいのモデルです)

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じつはこのチャコ 

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壊れてます。
加水分解したわけではなさそうなのですが、接着剤がダメになったようで、一部剥がれてきていたのではがしてしまいました。
(修理は可能なようです)

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わかり辛いですが
・黒い方がミッドソールであり、足をのっけるインソールでもある発泡ウレタンソール。
・茶の方がアウトソールで発泡合成ラバー。
ということになります。

あとはもう足を固定するストラップだけなので相当シンプルな構造です。

ミッドソール、アウトソールのパーツ単体ずつを触ってみると両方思っていたより柔らかいです。

混ぜ物やつくり方で色、形状や硬さはかなり自由がきくようなので、やはり合成ゴムとウレタンとEVAを見分けるのは難しそうです。

前回から紹介している一連のソールは化学資材・製品的な観点だと発砲プラスティックというジャンルの中の一部らしいです。それこそ建材とか緩衝材、スポンジ、タイヤとかあらゆる発砲系の材料の中の一部です。そんな中で合成ラバー(発泡でないものもあります)、ウレタン、EVAという材料が靴底にむいているということのようです。少し調べて見てそういう印象を受けました。どおりでわからないわけです。


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あんまり履いてないので減ってませんが、摩耗には強そうです。

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それでもアウトソールは薄いこともありこんなに曲がります。

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ミッドソール部も柔らかいですが厚みがあるのでそこまでまがりません。

ここで一旦、チャコ最大の特徴、ストラップについてです。(今季やってませんが、、、)

(テバやスイコックのことものってるので時間ある場合はその辺もみてください)

公式サイトも

チャコのアッパーにあたるウェビングストラップは一本のポリエステルテープです。

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ミッドソールの裏っかわです。

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アッパーのストラップはミッドソールの内部を通してあって全部繋がってます。
これをいい具合になるように引っ張って微調整してどんな足の形にもビタッとフィットさせます。

分厚くてグリップ力のあるソールが足にビタっとフィットすることで海辺、河原、川の中、山道などのアウトドアシーンでサンダルにもかかわらず、高い運動性能を発揮します。

裸足やハワイアナスのようなビーサンで川の中へ入っていくのと比べると機能性、安全性は雲泥の差です。
この辺がやっぱりスポーツサンダルの大事なルーツであり、現在こんなにタウンユースでも一般化してるおおもとの理由だと思われます。

私物がチャコだったのでチャコの説明になってしまいましたが、テバと並ぶスポーツサンダルブランドなので頭の隅に是非おいておいてください。

店頭で商品を扱ったり、コーディネートを組む上でもルーツを知っておくことは個人的には大事だと思ってます。
接客対応時の説明や合わせ方の提案でも多少なりとも説得力がでるものです。

スポーツサンダルは国内的には2000年代以降のアウトドア・キャンプ・野外フェスのブームをきっかけに一気にファッションアイテム化、一般化していったという記憶があります。

「ラフティングやキャニオニング」などのプロユース的だったり目的に特化したギアだったものが、「キャンプ・野外フェス・バーベキュー」というプチアウトドアでも使われるようになってアウトドア的ファッションのマストアイテムになり、現在「夏場のタウンユース」の最も手軽な外しアイテムになってるという状況なのかなと思います。
(もちろん、ビーサンやレザーサンダル、ミュールやエスパにはない便利さ快適性があったことも普及の大きな要因だとは思います。それまではビルケンしかなかった気が、、、、。)

外しに使うということは元々がわかっているから本来できることです。
画像や雑誌を見てそれを真似したりでわかってなくても現実的にはコーディネートできちゃいますが、ルーツを知っているとなんか一味違ったりするものです。
(さらにリアルに使ってる人の外し方には絶対かなわなかったりしますが、そういうわけにもいかないので、、)

特にそのアイテムにあんまりトレンド感がない時でも絶妙にうまく使えてる人はだいたいそういうことわかってる人だと勝手に私は思ってます。

<まとめ>

・スポーツサンダルのつくりはどうやらかなりシンプル(でも機能性は高い)

・素材の見分けはやっぱり無理そう

・トレンドアイテムでもルーツは知ってた方が説得力はます


“実はソールを剥がして見てもう一点、改めて発見というか確認できたことがあります。
スポーツサンダルには『シャンク』がないということです。が、こちらは次回にします。”

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