27歳女が突然2024年に三宅健を自担にするまでの怪記録

 2024年に突然三宅健を推し始めてしまった。我ながら一体どういうことなんだと自分で自分を疑っているし、友達と遊ぶと会ったとき最初にだいたい爆笑される。爆笑で始めるな。

前提

 筆者は1997年生まれ。家庭環境は良かったものの、母親の感性がかなり独特(クリスマスプレゼントに家族全員誰も好きじゃない平井堅のベストアルバム「歌バカ」をくれる、PTAには入会完全拒否、俗世のことをほとんど知らない)だったため、民放のテレビ視聴は許可制。そのため「伊東家の食卓」も「学校へ行こう!」も一切見たことがなく、「インターネットの人の例え話に出てくるテレビ」として認識している。
 三宅さんのことが気になり始めるまで、まともに認識していたV6メンバーは2人。
・坂本さん(筆者が7 MEN 侍今野大輝担で「Gift for X」を視聴していた為。工作が好きで後輩に暖簾をくれるおじさん以外の情報を一切知らなかった)
・井ノ原さん(筆者が2014〜2015年に俳優・横浜流星さんの異常な追っかけ行為をしていたため、「烈車戦隊トッキュウジャー」のヒーローショー会場で野生の姿を見たことがある。特撮オタクは誰も井ノ原さんに興味がないので一切騒がれない。また、父親が山下達郎・矢野顕子・電気グルーヴのファンなので幼少期に「ポンキッキーズ」の視聴が許可されており唯一ジャニヲタになる前から顔と名前が一致していたV6メンバー。アイランド社の社長なので、Jr.にクッキーをくれる人だと思っている)

経緯

 2023年6月にシアタークリエで「ダーウィン・ヤング 悪の起源」という舞台が上演されていた。
 友人に、「科捜研の女」というコンテンツ内でずっと推し変し続けている、科捜研の女の女がいる。科捜研の女の女は石井一彰さんという俳優が推しであり、そのダーウィン・ヤングに石井さんも出るというので誘ってくれた。フットワークが軽いを通り越して足がないので当日誘われて当日日比谷まで行った。
 主人公はダブルキャストの舞台だったのだが、筆者がジャニオタ(この頃はまだジャニーと発話してもよかった)であることに配慮して友人は大東立樹くんの回に招待してくれた。
 大東くんの歌もお芝居もものすごく良くて、かなり大東くんに対して「良い」という気持ちになった。推しと共演したら嬉しい。推しいないけど。
 そう、この頃の私にははっきりとした「担当」は不在のようなものであった。ちょっとずつ気になる人のところにまんべんなくお金を使う、というような感じであった。
 後にメンズコンカフェの一般人にちょっとハマるが、いろいろあって店ごと無くなった。合掌。

 2023年11月に、「ダーウィン・ヤング」に行ったときに出来た立樹担のお友達が「音楽劇 秘密を持った少年たち」に誘ってくれたので行った。このときも大東くんのことをかなり良いな〜と思い、お友達は相変わらず「顔がかわいすぎて内容を覚えてない」とお友達もかなり良いな〜という感じであった。
 そのようにして大東くんのことを頭の片隅で気にかけていたところ、私は普段FireStickを使っているのだが、あれは要するにAmazonの機器なので、今年の3月、ホーム画面にTOBEのドームライブの宣伝がでかでかと出てくるようになった。
 そういえば最近大東くんはどうしているのかな〜と思って私はドームライブの配信を見たわけだが、じゃあ大東くんにハマれよとお思いの読者諸賢のみなさま。人生そう簡単にはいかないわけです。

 三宅さんのデジタルシングルに、「iDOLING」という曲がある。私はこれをドーム配信で見たのだが、曲にも歌詞にも衝撃を受けすぎてびっくり仰天してしまった。
 私はもともと、「アイドルがアイドルの自意識」を歌う曲が好きで、例えばSixTONESの「人人人」や「フィギュア」が大好きで大好きでたまらない。

 このツイートで書いているように、岡村靖幸の楽曲なんかも大好きだ。岡村靖幸の楽曲もかなり自分が人からどう見られているかを自分で歌っていて良い。
 そんな趣味を元々持っているので、iDOLINGという楽曲がすごすぎてスゲ〜とツイートしまくっていたらお題箱(人に対して無責任なことを送れるメッセージサービス)で「iDOLINGは連作です、連作のうちの2(ツー)なので、悲しいほどにアイドルという曲も聴いてください」という投書が複数届いていた。

 気になりすぎてものすごい速さで見始めてる。早くてウケる。
 連作1であるところの「悲しいほどにア・イ・ド・ル 〜ガラスの靴〜」も含め全編見たのだが、良すぎるエレクトロニカに強烈すぎる思想が乗っかっており、「逆になんで今まで知らなかったんだろう!?」とびっくり仰天してしまった。
 歌詞の「虚像とリアル その狭間で俺生きていく」というのが異常に気になり、いろいろ調べていくと三宅さんは自分、というかアイドルを「虚像」だと思って生活しているらしい。え?こんなに気が合う人演者側にいるんだ!!!
 普段から常々いろんなところに書いてはいるが、私はアイドルのことをあくまでも「消費対象」だと捉え、お金を払って本人の作り出す「タレント」像、つまりまさに虚像を消費させていただくのがアイドルオタク活動だという考え方を以前から持っている。

 もしかして……三宅さんのことを推したら、演者と価値観が一致しているから、楽なのでは……!?推そうかな……!?という考え方が自分の中に発生してきた。
 しかし、自分の中に恐るべき葛藤があった。まず、2024年に三宅健の新規になるの急角度すぎて何やねんという話がある。
 私は俳優で「古参」の側をやったことがある(ヒーローショーにゴリラ通いしていたときの推しが、現在大人気すぎて無限に広告に出ている)のでなんとなくわかるのだが、古参を一回経験すると新規になるのにかなり心の抵抗がある。古参の使ったお金と努力にタダ乗りしている感じがするので、かなりつらい。そもそも、運営や本人が新規ファンを求めているのかも疑問だ。ここまでデビューから年月の経っている人だと、「閉じコン」化している場合もあり、新規があまり歓迎されない可能性もある。
 うーんどうしよう……どうしよう……と毎日思っていたら有明アリーナのソロコンが発表されたので申し込んでいた。気づいたらファンクラブに入会しちゃった。え?

 勢いでTOBEのファンクラブに入っていた。ウケる。
 後日、TOBEはいきなりネコポスで鏡とパスケースと三宅さんの直筆お手紙のコピーを送りつけてきた。しかも追跡番号つきなのに、事前に追跡番号の通知がなかった。もうネコポスじゃなくていいだろ。
 三宅さんの直筆お手紙には、なんというか「思想ですね」ということが書いてあった。思想で男を好きになったので、思想に触れられると嬉しい!!

 そして先日無事ソロコンに当選し、なぜか私は三宅さんのソロコンに行く人生になっている。
 フルアルバムも出るし、エレクトロニカ好きとしては本当に嬉しい。新規ハイという言葉があるが、まさしく今がそれで、新規ハイ標高8000メートル超えているくらいのテンション感なので、墜落しないようにがんばりたい。

メリットとデメリット

 葛藤するのをやめて、「自分、いけます!やれます!TOBE所属44歳ソロアイドルにメロメロになれます!」となったらかなり楽になったし、なぜかV6担だったお姉様がみな優しいので、オタクをしていて人にあまり優しくされることがないため怖い。
 最大のメリットは、もはや芸歴が長すぎて私からすると「取り返しがつかない」の領域に入ることだ。芸歴が31年あるらしいのだが、私の人生は27年しかない。人生よりも長いので、もはや「もっと早く知っておけばな〜」とすら思わない。「なっげ〜」とは思うけど。
 そして、履修しても履修しても過去の情報の履修が終わらなさそうなのがウケる。31年分の情報を得ようとするのにどれくらいかかるか自分で実験してみようと思います。
 一方で、デメリットもある。
 友達がこの前、「最近『恋はいつ落ちるかわからないよ。だってゥチの友達、今年三宅健推し始めたし』って飲みの席でよく話して笑い取ってるんだよね〜」と報告してきた。え? 私って知らない飲み会ですべらない話になってるんだ。
 
また、友達のお母さんが森田担らしいのだが、友達のお母さんにも「なんでまた?笑 ま、ハマる時は理由はあんま無いからな 気づいたら的なw」と草を生やされていた。他にも同じような報告があるので、いろいろな家庭で私の話で草を生やされているのだと思う。こんな意味のわからない人間でも、人を笑顔にできたら嬉しい。

 自分が急ハンドルで三宅さんを推し始めてしまったため、お題箱には「3年前から佐藤アツヒロを推し始めました!」「最近上田竜也にハマりました!」などの今さら◯◯軍情報が続々と届き、おじさんアイドルに真剣な20代の掲示板みたいになるときがありウケている。
 人生、何があるかわからなさすぎる。みんなも急角度から自分と思想が合う演者が視界に乱入してくる場合があるので気をつけよう!
<終>

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