一昨日は終戦の日。
　3年前、横浜シネマリンでやっていた「奥崎謙三生誕100周年　夏の神軍まつり」を死んだ友達と一緒に観に行ったのを思い出す。あのときは原監督のトークショーもあった。Tシャツにサインも入れてもらった。
　原監督はちょうど「れいわ一揆」を撮ってから公開するまでの間くらいのタイミングだったのだが、「れいわ新選組が今こんなにうさんくさいものになるとは思わなかった」というような毒を吐いていて友達と一緒に爆笑した覚えがある。

　昼間にNHKオンデマンドで「アナウンサーたちの戦争」を見る。森田剛さんの演技がものすごくよかったが、ところどころBGMに演出過剰の感じが否めない。宮城事件のあたりにもう少し尺が欲しかった（それはお前が宮城事件が好きすぎるだけだろう）。

　昨日はアリオ橋本にB2takes!の整番引きに行ってきた。実は私はリリイベものの現場にがっつり通ったことがないので、ショッピングモールの現場の思い出というのはだいたいが友達の整番引きや付き合いでの徹夜というものになってくる。付き合いでの徹夜ってなんだよ。でもほんとに19歳の頃は友達に付き合ってラゾーナ川崎で徹夜をしたりしていたな。元気だったな。
　アリオ橋本に行ったことがないし、橋本にも行ったことがない。京王線の終点として知っている場所、それが橋本。それだけの情報しかない橋本。
　友達と一緒に橋本駅からアリオに歩いて向かった。橋本駅の前は広々とした「無」になっており、一体何事だろうとよく見てみたら、リニア新幹線の新駅が建設中だった。建設中と看板に書いてあったが、土嚢がいっぱい積まれているようにしか見えなかったので、建設中の定義について考えた。
　野外の現場なのに存外涼しい日だった。アリオ橋本のミニステージの近くにはミストが無限に噴射される謎の設備があり、薄い霧が常にオタクに向かって噴射されている。化粧が浮いている気がしたが、化粧が浮いていてもいいと思ったので放置した。
　整理番号を引いたら、いきなり3番が出た。よく、ソシャゲをやる人は「物欲センサー」なんて言葉を使うが、私の場合、物欲センサー通り越して、もはや悟りの境地で整理番号を引くことができるので、度々こういうことが起こる。昔、9bicがJOL原宿でライブしていた頃（昔すぎるだろう）に整理番号を引きに行ったことがあるのだが、そこでも悟りの境地で2番を出した。無事に友人への義理の返却に成功し、労働を終了させた。
　3番を引いたので、友人が何か奢ってくれるのだという。サーティワンのアイスを注文した。3番を引いたのでよろしいだろうという気持ちが肥大化し、レギュラーダブルという、自分では絶対に頼まないものを頼んでしまった。フードコートでオタクくんたちと机を囲んでアイスを食べる。オタクたちはリリイベが開催される僻地への悪口で盛り上がっていた。レイクタウン越谷と柏がビッグモーターくらい罵倒されていた。たしかに遠い。

　私は東京の調布というところで育っていて、中途半端な田舎でも都会でもない謎の都市なので、大型ショッピングモールというものにいまいち馴染みがない。国領にイトーヨーカドーがあり、よく小さい頃は連れて行ってもらったが、あれは果たしてイオンと肩を並べるほどに巨大だったろうか……。
　フードコートで溜まるという経験をしたことがないまま大人になってしまったので、大人になってから主にこのような整理番号引きの合間などにフードコートで溜まっている。人生で一番溜まったフードコートはGロッソの横にあるフードコートかもしれない。
　フードコートというのは通常、回転率を極限まで上昇させなければならないものだと信じていたが、アリオ橋本のフードコートにはコンセント付きの一人席があったりして、滞留してもいい感じが出ており、実際、勉強している学生や仕事している人間などが発生していた。そういう戦略もある。
　ウォーターサーバーの勧誘をする角刈りの色黒男性や、風船を配る謎のブースなどが発生していて、すごく全てという感じがあった。

　肝心のライブは遠くから座って見学したのだが、オケの音がめちゃくちゃ小さい上にマイクの音がめちゃくちゃ大きいせいで、知っている1曲（「モヤモヤLOVER」）以外はほとんど何の音楽をやっているかわからず、評価不能すぎるなーと思っていたら終わった。
　ライブが終わると座っていた私のところに友達がヌヌヌッという具合で近づいてきて、「てかさ、1000円あげるから小澤廉と写メ撮ってきて？お願い。」と言ってきたのだが、興味がない演者と喋るのはイヤだな……という気持ちになってしまい、断って帰ってきた。小澤廉、かなり絶妙なラインで興味がない。最近演者と会話をすることへの抵抗があるな。
　ライブをやっている時に、後ろでマネージャーみたいな人ががんばってチラシを配っていた。労働が発生していた。
＜おわり＞