コロナ後遺症になって3ヶ月で半分くらい治った話

 こんにちは。体験を書きます。

 2022年11月にコロナになった。療養期間中はいたって普通に過ごしており、死ぬほどヒマだったので本を読んだり映画を見たりして過ごしたのだが、療養期間が開けても動悸が激しくて歩けなかった。パルスオキシメーターで脈拍を測ると立ったときに脈が150とかになっていて凄かった。
 おそらくコロナ後遺症ではないかと思ったが、その時点では確証がなかった。病院に行かなくてはいけないのだが、立っただけで脈が150になるのでそもそも病院に行くのがめっちゃ難しい。
 同じような症状の人の助けになればいいと思うので、私がやったことと経過を記す。

2022年12月

 療養期間が終わってから二週間くらい経ってもちっとも歩けるようにならなかったので、コロナ後遺症外来を受診した。
 コロナ後遺症というのは、診察に必要な時間に対して診療報酬が少ないらしく、また一部反ワクチン界隈ともドッキングしているため、インターネットで正しい情報を取捨選択して探すのが非常に難しい。ネット検索すると、陰謀論みたいなことを言ってる人もいたりして見るだけで気が滅入ってしまう。
 何がすごいかと言うと、明らかにこれはインチキや高額の自由診療みたいなたぐいであろうという医者も魍魎跋扈していたりするのだ。よくよく下調べをしてから受診しなくてはならない。
 また、当たり前だがコロナ後遺症になると外に出ることが困難になるのでけっこう落ち込む。その落ち込んだ精神状態で、ヤバいインターネットを見るとさらに落ち込むので注意が必要だ。公開アカウントで病状をつぶやくこともあまりおすすめしない。まったく詳しくない人が「詐病だろう」とかテキトーなことを言ってくるのである。実際に病院で検査をし、医師に下された指示にだけしたがって生きるべきだ。
 私が参考にしていいだろうと思うのは、渋谷区にある「ヒラハタクリニック」の平畑医師のツイッターである。平畑医師は本も出している。

 私の症状は起立時に脈が激しく上昇するというものであったため、「POTS(体位性頻脈症候群)」というものであるのではないかという疑惑を持った。
 しかし、他の疾患ではないか除外診断をしなくてはならない。後遺症外来とは別に、12月には循環器内科の病院を受診し、心エコーや、細かいことは忘れたがいろいろな検査を受診した。
 私は違ったが、いきなり頻脈になる場合は甲状腺の疾患であるケースもあるので注意が必要なのだそうだ。

 POTSについて信頼できる情報を集めていたところ、「慢性上咽頭炎」である可能性に行き当たった。
 オミクロン株は喉にくるというのはよく聞く話だが、上咽頭という箇所にコロナ感染をきっかけにして炎症が発生し、その炎症によって自律神経が乱れて頻脈になる場合があるらしいのである。

2023年1月

 そういうわけで、1月からは「Bスポット治療」と呼ばれる、亜鉛を綿棒の先に塗りつけて鼻の奥をグリグリと触るというたいへん乱暴極まりない(失礼だ)治療を始めた。
 たいへん乱暴に思える治療なのだが、これが不思議なことに脈に効くのだ。なお、これはちゃんと保険が適用される治療である。
 また、同じくらいの時期に、ちゃんとPOTSについて見てもらいたいと思い、大きな病院への紹介状を書いてもらってPOTSを研究している医師にかかった。POTSを診られる病院は、「起立不耐症研究会」というウェブサイトにまとまっているので、適宜予約センターなどにアポイントをとって、自分の病状でみてもらえるか確認するのがよい。

 続けたことで若干効果はあったのかな、と思ったこととしては、鼻うがいである。1日3回の鼻うがいを、「NeilMed」というAmazonで買えるキットを使って行った。これによって上咽頭の炎症がマシになるようで、鼻うがいをしたあとはそこそこマシな体調になる気がする。

2023年2月

 12月は家から20メートルくらいのところにあるコンビニに行くだけで死にかけていたのだが、2月になると不思議なことにけっこう体調が良くなってきて、近い距離であったら外出ができるようになってきた。
 好きな俳優のバースデーイベントにも行けたし、見たかった舞台も見ることができた。どの治療が効いたのかは謎であるし、単に時間経過によってマシになっただけという可能性もある。
 相変わらず頻脈は続いていて、疲れているとやはり150〜160くらいに上がってしまうのだが、後遺症の初期に比べれば何倍もマシである。

 一人暮らしで病院を手配し、治療に通うのはなかなか大変だったが、私の場合友達の助けがあったことと、自分で言うのも何だが、実家が太くて病気に理解があったことが幸いして今も生活できている。
 しかし完全に治っていると言うにはほど遠く、まだまだ時間が掛かりそうな感じがする。
 私と似たような症状の人がこれを読んでいるかもしれないと想像して書くのだが、最初は本当に頻脈がすごすぎて「自分は死ぬんじゃないか」と錯覚するだろうが、死なないし時間が経てばまあまあ元気になれるので、ぼうっと時間経過を待ってみて欲しい。
 ちなみに、コロナワクチンは4回接種している。こういう記事を書くといろんな意見が噴出してきそうなのだが、私の考えとしては、私のかかったような症状はコロナだけがトリガーになるわけでもなく、他の要因でPOTSになる人もいるそうなので、別にコロナが悪いとはまったく思ってはいない。人生はすべて運で、私はたまたまこの時期にこうなったというだけである。

 病院通いはめんどくさいし疲れるのだが、3月に好きなアイドルの主演舞台が決まっており、どうしてもそれを見たくてたまらないので、そこに合わせて観劇ができるくらいには体調をもっていこう、と決意することで治療を続けることができた。正しくアイドルが生きる目標になっている(無自覚に)と思う。

 シンプルに思うこととしては、医療費が結構かさむのでコロナ後遺症患者に対する補助のようなものがあったらいいなとも思ったりする。
 また、コロナ後遺症界隈のインターネットはけっこう地獄なので、患者がある程度のリテラシーを持っていないと詰むのも事実である。わかりやすく正しい情報にアクセスできる手段が整備されてほしいと思う今日このごろであった。

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