2023年8月1日の日記

 この前、山口県に行ったときに「泊まったビジネスホテルのコインランドリーにいたら、突如半裸の男が乱入してきて、しかもおもむろに缶ビールを勧めてきたので意味がわからなくてヤバかった」という話を書いたのだが、いま話題のビッグモーターも山口県発祥の企業らしい。山口にいったい何があるというんだ。

 ちょっと前になるけど「serial number09」の「スローターハウス」を観てきた。植松聖になれなかったボーイと感情論の母親の話。
 お互い言ってることがちっとも噛み合ってなくて気持ち悪くてそれがかなり気持ちよかった。私は障害者としてはいわゆる優生思想と呼ばれるものに賛成だったりする。自分は現在の日本に生まれているから生かされているだけで他の国であれば生まれた直後に(あるいは遺伝子検査で)間引かれていても仕方ないという観念がある。
 最近植松聖ってどうしているのだろうと思って調べたら漫画を描いていた。しかもなかなか上手い。

 この前京都に行ったとき、ありえないくらい大きい蝉の声で目が覚めた。ホテルで。ホテルはライブ会場から徒歩5分のところに取ったのでそれが特段田舎のホテルというわけでもなかった。ただただものすごく蝉の声が大きかった。東京であんなに大きい蝉の声を聞いたことがない。京都に住んでいる聴覚過敏の人は大丈夫なのだろうかと無性に不安になった。
 京都に行くと自分も旅行者で(しかし催し物に興味があるだけなので本質的に京都自体には興味がないので)ありながらオーバーツーリズムだなあと思う。京都人はよその人に冷たいというけれど、あんなに大絶賛オーバーツーリズムだったら冷たくもなるよなあと思ったりする。
 死んだ友達といっしょに最後に旅行にいったのが京都で、それも興行のついでに少し観光をしたのだが、私は生まれて初めて清水寺に行って、「素材サイトで清水寺って検索して出てきそうだなあ」と思った。つまり、整備されすぎている観光の対象にたいしては、もはやインターネットに完全形が掲載されているので、京都にあるものって究極に保護されすぎていて、自分の目で見ても見なくてもちょっと一緒かもと思ってしまう。海外の人にはこういう感覚はないのかもしれない。死ぬまでにサグラダ・ファミリアは見てみたいし。サグラダ・ファミリア見てみても、案外たいしたことないなあと思ったりするのかもしれない。

 そういえば谷水のオタクといい植田のオタクといい、なぜ人はお金がなくなって追い詰められると「詐欺」に走ってしまうのだろうか? 気合を入れてNSソープに行きなさい!(極論)
 詐欺のほうが必ず捕まるし、下手したら実刑で刑務所に行くので、死ぬ気で身売りをしなさい!という気持ちになるのだが、まあ身売りをするよりは刑務所に入る方がいいという人もいるだろう。人間の価値観は色々。

 人生で夢中になった本ランキングの上位でいうとやはり中島らもの「ガダラの豚」かなあ。これはずっと舞台化してほしいなあーと思っている。

 思想面で影響を大きく受けているのは、さくらももこ、中島らも、桜庭一樹で、この三人はどうしても私の思想から切っても切り離せない。前にもどこかで書いた気がするが、私の家はかなり思想的に偏っていたので児童書として松谷みよ子の「ちいさいモモちゃん」シリーズが全巻置いてあったりした。途中で両親が離婚したりするかなりハードコアな児童書だ。大人になってもたまに読み返したくなる。
 クレヨンしんちゃんとか、はねるのトびらとか、親が嫌いとされるものはほとんど目にしてこなかったが、なぜか「ちびまる子ちゃん」は全巻置いてあり、岡田あーみんの「お父さんは心配症」も読むことを許されていた。他の漫画はダメだった。変だろう。

 最近はこの「統合失調症の一族」をがんばって読んでいるのだが、いかんせん登場人物の名前が全部カタカナなのと異常に長いので、ちっとも読み終わらない。外国人に基本的にあまり興味がないので、名前が覚えられない。名前を覚えている外国人って、クラフトワークのラルフとフローリアンとか、ビョークとか、リチャード・D・ジェイムズとか、ニューオーダーのバー兄とか、それくらいである。小学校のとき、空前の「ハリー・ポッター」ブームが到来し、図書室の本の争奪戦が日夜繰り広げられていたのだが、私は少し読んだところで登場人物の名前が覚えられずに挫折した。 ドストエフスキーの「罪と罰」は登場人物が少ないのでまだ大丈夫だった。
 この本はとにかく一族が次々と統合失調症になっていき(つーか、そもそも父親と母親が子供を作りすぎという問題がある)それは遺伝子が原因なのか環境が原因なのか……という話で、おもしろい、おもしろいのだが、登場人物の名前が全部カタカナでつらい。がんばって読んでいます。読み終わったらまた感想を書きます。格闘しても格闘しても終わらないぜ!

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