2023年9月17日の日記

 お久しぶりです。「自分の文章って全然面白くなくね?」のターンに入ってずっと何も書く気が起こらなかった。いくら文章を書くのが上手くたって、人とうまく話せなきゃ意味がない! 社会的な人間になれないなら意味がない! そういう気分になっている。人生の果てしない長さに疲れている。一日一日の社会をなんとかしてやり過ごしている。

 最近はメンズコンカフェによく滞在しているが、ここについて書けることは、特に、ない。人生の果てしない長さと、自分のどうしようもなさを紛らわすためにお気持ちで飲食店に行っているという感じなので、略して通称「お気持ち飲食店」と呼んでいる。
 メンズコンカフェは世間的にはトー横キッズが立ちんぼして売春しながら推し活をする場所みたいな感じらしいのだが、自分の通っている店にはそういうストリートチルドレン的な気配がしないので、多分なにかそういう文脈から切り離されて、宙ぶらりんになっているのだと思う。昨日、トー横の近くを歩いてみたら、広場のくせにかなり混雑していた。広場のくせに混雑するなよ。
 6月に松永天馬さんのトークイベントでも少し喋った気がするのだが、鈴木いづみの書いたエッセイの中で、昔は新宿にはフーテンと呼ばれる人々がたくさんいて、ブロバリンとかの睡眠薬をがりがりと齧りながら広場に寝転がり、ジャズ喫茶に入り浸っていた、みたいな話が描写されているので、多分数十年経って全部が元に戻っただけの話なんだと思う。
 トー横キッズはメジコンやブロンをやるらしい。今も昔も路上にいる人たちは市販薬が好きだ。私はメジコンもブロンも好きじゃない。ブロンは嘔吐恐怖症にはつらい。ハイプロンやマイスリーのほうがもっと紳士的な効き方をするだろうという気がしているが、彼ら彼女らは住所とか保険証がないのだろう。

 昨日はCBGKシブゲキで「爆剣」という舞台を観た。
 源平合戦の話らしいのだが、あんまり源平合戦の話はしていなかった。ストーリーのひっくり返し方とか、SFを挟んでくる感じとか、広げた風呂敷をきちんと畳むところはいいなあと思ったのだが、厨二病をかなり感じておつらいお気持ちになった。でもああいうの好きな人は果てしなく好きだと思う。自分の感性に刺さらなかっただけであれが熱狂的に好きな人がいるのはかなりわかる。
 安倍晴明(女)というキャラが出てきたのだが、プライドエベレストなのに何をしても満たされず、どこまでもどこまでも欲望を追いかけ続けるというキャラ設定になっていて、顔もかわいいので、現代にいたらホスト狂いになっていそうでやだな……と思った。

 この前友達が通っているホストクラブに社会科見学として行ってみたのだが、とにかく躁状態でつらくて帰ってきてしまった。冬月グループ某店なのだが、まず卓に訪れる男の顔が全員出目のアップノーズである。アップノーズでないといけないみたいな縛りがあるのだろうか。舞台「戦刻ナイトブラッド」に出てきた豊臣領内の村人たちの前髪かよ。人間が次々に訪れて勝手なことを喋って交代していくのだが、本質的に興味がないので何も人間の情報を覚えられない。人間はみな躁状態で接客してくる。ハイテンションであることが義務付けられているのか? というくらいにハイテンションで、社会を感じる。考えてみれば、キマっているホスト狂いはだいたい躁状態だ。ずっと躁状態で最強で無敵みたいな人でないとホスト狂いはできない。であるからして店も躁状態でなければならないのだろう。躁という義務。
 人間の情報を覚えられないままに時間が経過し、社会的躁状態について考えていたら送り指名を選んでくださいと言われた。そ、そうなんだ……。最後についてくれた人が「僕は横浜流星くんと一緒の極真空手をやっていました」という意味のないようで微妙にある自己紹介をしてきたのでその人にし、店内から脱走した。完。

 都会の工事のかなりすべてに懐疑的で、この前も雨の日に新宿駅の東西自由通路を通ったら雨漏りしまくっており一部が立ち入り禁止になっていて「欠陥建築だ!」と妙にうれしくなった。渋谷駅の山手線ホームは工事をしてから最悪になっていないか? といつも思う。工事前のほうがどう考えても危なくはなかった。今はかなり危ない気がする。
 新宿駅で迷う人のことは少し自己責任という感じがするが、渋谷駅に関してはほんとうに邪悪さを感じる。あとから物を付け足しまくったせいで最悪になっているというか、工事をするたびに最悪になっている感じがする。一回全部壊したほうがいいのでは?

 実家の母が「ご飯を送るね」と言ってきたので何を送ってくるのかと思ったらAmazonを使って生米が送られてきた。私の母はいつもそういう母である。ご飯を送るねというのは本当にご飯を送るねという意味で、それ以上でも以下でもないのだ。そういう母に育てられてこういう人間になっております。
<おわり>

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